殺人的な猛暑の中、姉一家とたまプラーザで昼食会。飯は四川料理屋で食事後には姉夫婦が建立した生前墓にお参り。ここには佐渡から分骨した父と生母の骨を入れてある。父の13回忌という名目で2年ぶりに集まったのだが、話はあちらにとび、こちらにとび、ワシに「終活ノート」をつけろと説く始末……こんな話を、傍でニコニコ聞いてくれる義兄や甥、姪に感謝。ワシのようなデラシネ(根無し草)人生の対極に暮らしている健全な一家であることに敬服する。
でも姉弟親甥姪とはいえ、所詮は他人。それぞれのドラマ(物語)の成り行きも細部の深さも知り抜くのは難しい。せいぜいその断片を記憶し語り継ぐくらいはできる。この先、あと何回こういう集まりを持てるか分からないが、「ここに、こんな人がいて、こんな暮らしをしていた」という話題が愉しい。……この世よりあの世にはもうたくさんの愛おしい人たちが、「その話を聞きたいよ」と待っているだろう。……オチのない話だけど。
爺歌31 「けだるい夏歌」に浸りたい
明日から8月だが、日々溜まっていく夏休みの宿題に憂鬱になった「けだるい」想い出ばっかだ。ギンギンの暑苦しい夏歌より「けだるい夏歌」が好い。『summerTime』『夏の思い出』『八月の濡れた砂』拓郎『夏休み』『時間よ止まれ』『モンロー・ウォーク』『夏をあきらめて』『夏の終わりのハーモニー』『少年時代』UA『情熱』『TSUNAMI』『海の声』……おっと、大物というか古典を忘れてた。何度もブログに書いたが、1958年ニューポート・ジャズ・フェスティバルの記録映画『真夏の夜のジャズ(Jazz On A Summer's Day)』と『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』(1970公開)。たくさんの歌手・歌もいいんだが、観客、舞台裏、周囲の風景……ドキュメントだから時代や空気感が伝わる。
君も「ヤコブのはしご」が見えたかな?
今日30日の天気サイトで中川さんという気象予報士が、「都内でもうっすらと『天使のはしご』が見えました」とレポートした。予報士の人は天文を見ているからたまにイキなことを言う。「天使のはしご」は雲間から太陽光線が放射状の散乱光になって見える現象で、別名「薄明光線」「ヤコブのはしご(jacob’s ladder)」。化学的にはチンダル現象、物理的にはミー散乱と習った。「ヤコブ」の話は聖書で一番面白い『旧約聖書・創世記』に出てくる。兄を”出し抜く”(=ヤコブの原義)ことで家督権を手に入れたがそれがバレて家を逃げ出したヤコブ。荒野で寝てる時に天から光のはしごが伸び、天使が上り下りしている夢を見た。それで覚醒して神=天主に誓約を立て、イスラエル民族の祖になった。この話を下敷きにできた映画がティム・ロビンスの『ジェイコブズ・ラダー』(1990)。ベトナム戦争、国防省の陰謀、幻覚剤、同士討ちなども絡めた反戦ものなんだが、「死を受け入れらない」故の狂気・幻覚がすごく怖くて面白い。……予報士さんの次の名言に期待。
コンテンツ鑑賞術<中国編>
YouTubeで急増しているのが非英語圏からの投稿。中国、ブラジル、タイ、イランなどのサムネイルは刺激的な画像で、ついつい見たくなる。だが英語とは違う言語に阻まれる。とくに中国語の場合、漢字もどきも多いので、日本人は「分からィ」となめてしまうが、漢字の意訳では通じないものも多い、そこで鑑賞術。以下の20語を英語的に覚えるだけでかなり捗る。的='s、請=please、対=yes、从=from、対不起=sorry、什么=what、哪里=where、別=not、等=wait、説=speak、走=go、先生=Mr.、我们=We、明白=clear、想=think、喜欢=like、多少=how much(many)、优=superior、漂亮=beauty、可愛=cute。……画面は赤信号無視取締り警官「交警説法」だが、すごくユーモラス。
飲食業サバイバルの街「四三」
自分の住む四谷三丁目(通称:ヨツサン)でカレー「Coco壱」が今日店じまいした。長いこと営業してきたから客数減より労賃など固定費高かもしれない。飲食業が生き延びるには厳しい町だ。商圏分析のサイトを見ると、この町の商圏人口は約1万5千人、世帯数9600、小売業総売上高は181億円。人口や世帯数が少し多い神楽坂は209億、それらが3分の2しかない新宿御苑前が893億もあるのは、新宿3丁目近接だからだろう。……消えるものあれば出てくるものがあるのは自然だが、すぐ消えるのも多い。ウチから30秒のところあるビル地下の店舗は、この6年で5軒が潰れて出て行った。直感的に「入りにくい」と思わせる店構えなのだ。3ヵ月前にパキスタン系らしき人の店ができたが不入りらしく家族総出で毎日ビラ配りしている。同情するが入る気にはなれない。退去は時間の問題に見える。彼らの無知、無謀さもあるが臆面もなく貸し出す仲介屋やオーナーも悪辣だ。「四三」には、そういう空気を醸す店が他にも数軒ある。……自分とは商売違いながら、「小さな商圏で生き残る条件は何なのだろう?」と考えながら帰ってきた。
爺歌31 「ドドンパ」男の歌を唄う爺たちへ
日本語『ルイジアナ・ママ』には「スクスク・ドドンパ・チャチャチャ…」と当時の流行ダンスが出てくる。このうち「ドドンパ」は日本限定。「都都逸」と「マンボ」の合成語という説はクサいが、「ドドン」(三連符+休符)「パ」というリズムの形を作ったのは、母親がフィリピン人だった苦労人歌手のアイ・ジョージ(石松 譲冶)だというのはホントらしい。色んな曲をこれで編曲して関西のクラブあたりで人気になった。それに目を付けたビクターが1961年に売り出した渡辺マリの『東京ドドンパ娘』が大ヒット。一方、ジョージも独特の歌唱法と声量で『硝子のジョニー』や『赤いグラス』などのヒットに恵まれた。でも、後者の『グラス』は、フランク永井や石原裕次郎のカバーの方が売れたかもしれない。……ま、それはいいとして。『赤いグラス』を聴こうとYouTubeすると、最初にババに当たるので要注意だ。「某S」なる爺さんのトンデなくヘタな唄を聴かされることになる。爺だから声が出ない、続かない。最悪だ、老害だ! 彼の他のサイト評価履歴を見るとタガログ版グラマー美女ものが多い。一緒にデュエットさせられている女性もそっち系パブのママかと推測(邪推?)……はぁ、同輩諸君!もういい加減、公共の場でのデュエットものは止めようよ。