h.Tsuchiya

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爺飯46 死ぬまでに一度食べたいサンドイッチ

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 「日本スゴイ!」系の話題は、実証的なら嫌いじゃないが、とても恥ずかしいと思うのが「ストリートフード」の貧弱さ。たこ焼き、タイヤキ、お好み焼き、クレープ……昔ならテキヤが肩身狭く夜店などで売っていたものをデカい顔して売っている。ま、寿司も天ぷらも元はそうなんだけど。……こっちと比べて見たら爺の愚痴も分かるはず。シチリアシラクサのチーズメインの街頭デリカ屋。トリップアドバイザで星5つが87%とダントツ1位。主人がパニーニ(サンドイッチ)を作りながらチーズやワインを客に振る舞ってパフォーマンス。生ハム、チーズ、ルッコラドライトマト、オリーブオイルをぎっしり詰めてくれて5ユーロ(約640円)。日本のインチキ・イタリアンのまがいものパニーニとは格が違う。これだけを食べるためにシシリーに行きたいとさえ思う。やっぱ、イタリア語をちょっと勉強しとこ!

 

爺歌32 「無法松」と「ゾルバ」の共通点

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 盆踊りの季節である。この頃は「ピカチュウ音頭」や「ダンシング・ヒーロー」までやるらしい。伝統の上に流行ものを被せるのは昔からのことだが、伝統を上回る例もある。その1:映画『無法松の一生』(1958年版)で三船敏郎が小倉祇園太鼓を叩く「暴れ打ち」は、この映画のために演出されたもの。吹替えなしの三船がすごい。その「暴れ打ち」が今や祭の名物になっている。その2:アンソニー・クインの『その男ゾルバ』(Zorba the Greek、1964)がラストに相棒と浜辺で踊るダンス(シルタキ)が、今や「ゾルバのテーマ」として、ギリシャクレタ島)ダンスの代表曲になっている。きっと他にもあるんだろうけど、2本とも映画としてのできがすごく良い!YouTubeで見つけた掘りだしものだ。とくにアンソニー・クインは『道』(ジェルソミーナ役のジュリエッタ・マシーナも最高)や『砂漠のライオン』も良い。男くささプンプンだが、絵も描く才人。81歳で子供も作ったというのもすごいけど……。

2年ぶりの親族メシと墓参

 殺人的な猛暑の中、姉一家とたまプラーザで昼食会。飯は四川料理屋で食事後には姉夫婦が建立した生前墓にお参り。ここには佐渡から分骨した父と生母の骨を入れてある。父の13回忌という名目で2年ぶりに集まったのだが、話はあちらにとび、こちらにとび、ワシに「終活ノート」をつけろと説く始末……こんな話を、傍でニコニコ聞いてくれる義兄や甥、姪に感謝。ワシのようなデラシネ(根無し草)人生の対極に暮らしている健全な一家であることに敬服する。
 でも姉弟親甥姪とはいえ、所詮は他人。それぞれのドラマ(物語)の成り行きも細部の深さも知り抜くのは難しい。せいぜいその断片を記憶し語り継ぐくらいはできる。この先、あと何回こういう集まりを持てるか分からないが、「ここに、こんな人がいて、こんな暮らしをしていた」という話題が愉しい。……この世よりあの世にはもうたくさんの愛おしい人たちが、「その話を聞きたいよ」と待っているだろう。……オチのない話だけど。

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爺本14 久々の拙著『現代日本のタブー』

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 今年になって初めて出した自分の単行本『現代日本のタブー』。例によって英語との対訳本。昨年末には脱稿していたのだが、出版社IBCパブリッシング)の事情があったらしく、本になったのは先月。身近なところに見出せる現代の日本的タブーをたくさん取り上げた。ハラスメントやコンプライアンス天皇制、相撲界、監視カメラ、移民、マナー……等々、色んなテーマを取り上げてみた。昨年秋の事例を集中的に取り上げたので、ネタとしては古い感もあるが、普遍的なテーマに繋いでみたので、そこそこ面白いはず(自画自賛!)。語学書系の書棚にあると思うので、気が向いたら手に取ってみてくだされ~(ペコリ)

爺歌31 「けだるい夏歌」に浸りたい

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 明日から8月だが、日々溜まっていく夏休みの宿題に憂鬱になった「けだるい」想い出ばっかだ。ギンギンの暑苦しい夏歌より「けだるい夏歌」が好い。『summerTime』『夏の思い出』『八月の濡れた砂』拓郎『夏休み』『時間よ止まれ』『モンロー・ウォーク』『夏をあきらめて』『夏の終わりのハーモニー』『少年時代』UA『情熱』『TSUNAMI』『海の声』……おっと、大物というか古典を忘れてた。何度もブログに書いたが、1958年ニューポート・ジャズ・フェスティバルの記録映画『真夏の夜のジャズ(Jazz On A Summer's Day)』と『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』(1970公開)。たくさんの歌手・歌もいいんだが、観客、舞台裏、周囲の風景……ドキュメントだから時代や空気感が伝わる。

君も「ヤコブのはしご」が見えたかな?

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 今日30日の天気サイトで中川さんという気象予報士が、「都内でもうっすらと『天使のはしご』が見えました」とレポートした。予報士の人は天文を見ているからたまにイキなことを言う。「天使のはしご」は雲間から太陽光線が放射状の散乱光になって見える現象で、別名「薄明光線」「ヤコブのはしご(jacob’s ladder)」。化学的にはチンダル現象、物理的にはミー散乱と習った。「ヤコブ」の話は聖書で一番面白い『旧約聖書・創世記』に出てくる。兄を”出し抜く”(=ヤコブの原義)ことで家督権を手に入れたがそれがバレて家を逃げ出したヤコブ。荒野で寝てる時に天から光のはしごが伸び、天使が上り下りしている夢を見た。それで覚醒して神=天主に誓約を立て、イスラエル民族の祖になった。この話を下敷きにできた映画がティム・ロビンスの『ジェイコブズ・ラダー』(1990)。ベトナム戦争国防省の陰謀、幻覚剤、同士討ちなども絡めた反戦ものなんだが、「死を受け入れらない」故の狂気・幻覚がすごく怖くて面白い。……予報士さんの次の名言に期待。

 

コンテンツ鑑賞術<中国編>

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   YouTubeで急増しているのが非英語圏からの投稿。中国、ブラジル、タイ、イランなどのサムネイルは刺激的な画像で、ついつい見たくなる。だが英語とは違う言語に阻まれる。とくに中国語の場合、漢字もどきも多いので、日本人は「分からィ」となめてしまうが、漢字の意訳では通じないものも多い、そこで鑑賞術。以下の20語を英語的に覚えるだけでかなり捗る。的='s、請=please、対=yes、从=from、対不起=sorry、什么=what、哪里=where、別=not、等=wait、説=speak、走=go、先生=Mr.、我们=We、明白=clear、想=think、喜欢=like、多少=how much(many)、优=superior、漂亮=beauty、可愛=cute。……画面は赤信号無視取締り警官「交警説法」だが、すごくユーモラス。