h.Tsuchiya

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経年劣化が止まらない……

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同年代の友人たちと話していると、「固有名詞が覚えられない」「歯茎がスカスカに」「目がかすむし、聞こえにくくなった」「シミやホクロがやたらと出てきたよ」「すっかりはげてしまったぜ」……といった話題がぽろぽろ出てくる。情けないが、これが人体における「経年劣化」というやつだろう。

何事も「経年劣化」つまり時間とともに壊れやすくなり、本来の機能を失い、壊れやすくなり、醜くもなる。これは仕方がないことなのだろうが、それをどう受け入れるかで、その人の器量なり覚悟が見えてくるようだ。

ボクの場合、年とるごとに死んだ父親に似てくる。とくに身体的な特徴がである。しもぶくれの顔、ぽっちゃりしてきた体型、やけに白っぽい髪やひげ、そして体臭や、尾籠な話だが糞の臭いまで似てきたような気がする。ちなみに父は90歳まで生きた。

ボクもきっと長生きはするのだろうが、このまま父のクローンのようになって老いさらばえるのはヤだな……

だが、父と決定的に違うのは身体の頑健さかもしれない。公務員だった父はストレスもあってか、胃腸の病気になったり、糖尿病になったり、小さな病気を繰り返していた。だが、ボクはいまだ病気になったことはないし、医者にかかったこともない。医療保険をむだに払っている。ありがたいことだと思うけどね。

もう一つ違うのは、本や映画などが大好きなこと。母は大変な読書家だったが父が本を読んでいる姿を見たことがない。あれでよく公務員が務まったものだと思う。もっとも父は高等小学校を出て18歳で終戦まで職業軍人だった。軍人になまじっか本は必要ない。それにしても、本を読まない父親を尊敬するのは難しいなあ。

経年劣化は、まだまだたくさんある。実家の家もほったらかせば手入れできないほどに荒れるだろう。墓もそうだ。ボクはその墓には入りたくない。身の回りのいろんなものが使えるうちに使って、さっさと葬ってあげないと可哀想なのかもしれない。自分でフォローしたりメンテナンスできるうちはしてあげるが、それにも限度がある。そういえば人間関係や友人も経年劣化を免れない。昔、あんなに仲良かった知人や友人たちも、ご無沙汰が長引けば自然と遠い存在になる。歳月は人を待ってくれないことを肝に銘じねば……。うむ、今夜は少し無常観的である。