h.Tsuchiya

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「第3コーナーを回って第4コーナーに……」

 1970年にソルティシュガーが歌った「走れコータロー」が大ヒット。歌の間に入る美濃部さん風競馬実況中継がやたらと受けた。今でもカラオケでこれを唄うジイサンがいるが、このセリフのところがみんな下手くそだ。「第3コーナーを回って第4コーナーに……」というところから早口になるのだが、これについていけないのだ。美濃部のモノマネもなっちゃあいない。

 ところでこの「第4コーナー」にかかったところで、われらが「コータロー」はまだトップに立てていないのである。トップは本命の「ホタルノヒカリ」で、「コータロー」は、最後の手前直線に入って劇的逆転。いつしかトップに躍り出て、騎手まで振り落してゴールするのである。

 ボクは先月の末についに65歳になった。人生競馬でいうと、「第4コーナー」を回ったことになると思う。あと15~20年ほど生きてゴールインすることになるのだが、果たして、この最後の直線で、逆転勝利ができるのだろうか?といっても、何を基準にした順番付かもしれないし、誰と競走しているのかもしれない。第一、ボクがヒーロー「コータロー」という保証もない。

 この2ヵ月ほど、ボクは就職活動に一生懸命だ。人生で初めて履歴書を書いている。ハローワークなどに登録するとあちこちの転職紹介会社から山ほど情報メールが届く。「ライター、編集」などと職種を選んで端からWebで応募するのだが、片っ端から「残念ながら」と断りが来る。履歴書を出すところまで行くのは50件に1件あればいいほうだ。こういうのが続くと、いい加減いやになってくる。「俺は、世界から必要にされていないんだ」と落ち込む。でも、こんなことでめげるほど純情ではない。懲りずに今日も5件ほど応募した。

 書類(Web)で落とされる理由は人材会社はあまりはっきり言わないが、年齢に決まっている。誰が好き好んで65歳のジジイを採用したいと思うものか(笑)。でも、本当はこういう高齢化社会にこそ、高齢者を雇って、高齢者相手のビジネスや政策提案、企業改革、生涯学習などを仕掛ける好機なのだ。そのことに早く気づいた企業が勝つと思うのだが、日本企業の中にはまだまだ少ないようだ。どこか早く気づく企業を見つけたいと思うから、もうちょっと「応募ごっこ」を続けてみようと思うのである。

 この「第4コーナー」からの選択肢の一つには、田舎(佐渡島)に帰って、年金だけで細々と余生を暮らす道もあった。いや、今もあるし、「帰ってくりゃいいねかさ」と言ってくれる友人も多い。カネ詰まりで窮したとき、寂しさに囚われる時、おもしろい映画や本の話をしたくなった時……ふとこの道に行くことを考える。でも、そのたびに「いや、まだまだ」と思う。「まだ、やり残したことがある!」と思うからだ。誰にでも「死ぬ前にやっておきたいこと」というのがあると思うが、ボクにもある。(その話がまた別に書く)

 それに少しだが自信もある。1本の虫歯問題以外、健康という自信だ。ま、こんなものは過信であろう。ある時から急にガタガタになるんだと先輩たちも言っているから。でも自信があるうちは、進まなくては。一歩でも半歩でも前へ

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……。