h.Tsuchiya

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「家で鼻毛を抜いてるよりは……」

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 人間は発生以来、少しも賢くなっていない。どこか漫画的な、滑稽な生き物だ。酔っぱらい、寝ぼけ顔、カンシャク、泣き顔……そんな表情が、古今東西のいろんな場面でカリカチュアライズされる。その一つが、鼻毛を抜いている時の間抜け顔だろう。これは暇を持て余して、しかも緊張感ゼロ、完全に油断しきっている時にやってしまう(子供以外は男女とも)。

 最近のボクの口癖は、「家で鼻毛を抜いているよりは……」というもの。家で無為な時間を持て余すよりも外に出かけた方がましだと考えるときに、ついこう言っている。このところ天気の良い日は2時間近くの散歩だったり、誰かとあったりしている。色んな発見がある。おとといは、永井荷風の随筆に出てくるコースで市ヶ谷から神楽坂の周囲を遠回りで河田町方面に抜けて新宿経由で帰ってきた。古い町名、昔ながらの商売、抜け弁天など、戦前からの残り物を見つけて面白がっていたら、「新宿EAST SIDE」なる巨大な再開発エリアに出くわし、その隅々まで人工的で虚しい街にあきれ果てた。その前は、溜池経由で東京駅まで歩いて皇居をぐるぐる走るジョッガーたちの多さに驚いた。昨日は、秋葉原で、冬コミケ(コミックマーケット帰り)のヲタクたちの多さに驚いた。今日は、新宿で年の瀬の買い物客でごったがえす伊勢
丹の地下街に驚いた……。要するに街に出ると驚くことばかり。

 「家で鼻毛を抜いているよりは……」も一種の精神的な病気だろう。貧乏性かもしれない。すべてを見抜いて、達観したうえで、ぬくぬくとストーブの前で、うとうとまどろみながら鼻毛を抜いているのも、これはアリかもとも思う。でも、性分はそう変わらない。たぶん、元旦からどこかにほこほこと出かけていくと思う。そしてまた何かを見つけては驚いて帰ってくるのだろう。