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RIPE's blog

記事の中身は「R65」。年の功がある人(RIPE)向け。でも若い人も大歓迎ですよ(笑)

気に障る振る舞い?

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 その男は、テーブルの上にクレジットカード数枚と携帯を、かちゃかちゃと音を立てながら並べては、「よし!」とつぶやいていた。「カチャ! よし!、カチャ! よし!」。ここは昼下がりの、青山2丁目のドトール。場所柄、広告関係やアパレル関係らしき客が多いが、その男も日焼けサロン仕立て風の浅黒い肌、テッペンを立てた髪、ランニングにハーフパンツ。テーブルの片づけが終わると、タバコをくわえ、ジッポのライターを取り出して「カシャ! シュボッ! カシャ!」。さすがに、ここは「よし!」はなし。でも、なんとなく、この男なりの心中の句読点のような波動は続いているのが感じられる。一服して間もなく、セカンドバッグから現金を取り出すと、「シャキッ。シャキシャキ!」と数えて「よし!」。2万数千円かの札束を束ねて二つ折り。どこからともなく取り出した輪ゴムで挟む。「パチリ! よし!」……似たような動作と「よし!」をほぼ10分続けてから、「よし!」と立ち上がり、男は店を出て行った。

 小さなテーブルを一つ挟んで座っている自分だから聞き取れるほどの音だから、異常というほどでもないし、他に気づいた人もいない。男が、今日のどんな事情を抱えていたのかはわからんが、こういうクセを持っているのはたしかだろう。

 そこでふと考える。この男の、友人、部下、恋人(妻子)の中で、このクセに気づいた人はいるのだろうか? それを「気になる」以上に、「気に障(さわ)る」人はいるのだろうか? 誰かがそのクセを指摘したことがあるのだろうか?

 他人のささいなクセというのは、心的な距離が近しいとか、接触時間が長い人ほど気になるものだ。「気になる」を通り越して「気に障る」のだ。あらゆる職場や家庭で、あるいは通勤電車の中でも、こういう一種の緊張関係は無数にあるに違いない。

 相手に高望みする人、不寛容な人、神経質な人は、こういうクセというか、「気に障る振る舞い」が受け入れられなくていつかブチ切れるのかもしれない。いやいや、他人ごとじゃないよな。自分も誰かの気に障っているのかもしれないんだから……。だいいち、こうやって、チラ見しながら他人を観察していることも、相手に知られたら「気に障る振る舞い」に違いない。でも、この人間観察のクセは、なかなか治らないんだよね~。齢を降るごとに昂じてした気がするくらいだわ。