h.Tsuchiya

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恥をしのんで言うのだが……

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 この数日、YouTubeで昔のNHK大河ドラマを見ている。それも戦国~徳川もの。「秀吉」「葵 徳川三代」「国盗り物語」「利家とまつ」「功名が辻」……といった具合。中身は講談、野史の類で知られたエピソードを、トレンディな演出で、当代の人気者が演ずるもの。くだらないが面白い。一番、違和感があったのは、歴史家でもない堺屋太一が原作を書いた「秀吉」(1996年)だった。竹中直人の秀吉や渡哲也の信長というキャストも、またカミさんが尻を叩いて出世を煽るというコンセプトも、昔の緒方拳や高橋幸治の「太閤記」と比較して、いかにも当世風に思えた。

 家から数分のところに堺屋事務所があるが、どうも違和感の一つは、このオッサンが、「団塊世代」という言葉を流行らしたことへの反発があるようだ。日本の第1次ベビーブーマー(1947年~1949年生まれの800万人)を指して、「団塊の世代」と命名して以来、ワシらは、何かにつけて塊というか十把一絡げで見られ、扱われてきた。今も若者が「ゆとり世代」などといわれているが、人口の絶対量が違いすぎる。なんせ800万人だから社会的影響も大きすぎる。
 
 その「団塊世代」が、今やすこぶる評判が悪い。年金や退職金をもらった上に、定年延長で、いつまでもおいしいところを、集団でしゃぶり、さまざまな老醜や、汚れた晩節を露呈しているからだ。たしかに恥ずかしい連中がたくさん居過ぎる。数が多すぎて目立ってしまう。今日、虎の門の喫茶店で見かけたのは、権柄ずくなもの言いで、でかい声で話すオヤジだった。昼下がりのスーパーにはレジ係りに何やらクレームをつけているババアも見た。同輩ながら、恥ずかしくてしょうがない。

 公平を期して、自分の恥もさらしておこう。ごくごく個人的なトラウマもあるのだ。この言葉がポピュラーになったのは1980年代初頭だが、活字でチラ見しかしていなかったものだから、「団塊世代」を「ダンコン世代(団魂?)」と覚えてしまっていた。それを雑誌の仕事で付き合いのあった嫌味な、嫌味な女史の前でポソッと口にしてしまい、「ダンカイね、ダンカイ!」と指摘されて、大恥をかいたのだった。以来、この言葉も、それに伴うイメージも最悪になった。だから同輩たちを、ついつい厳しくチェックしてしまうようになった。いやいや、わかってます。トラウマというより言いがかりである

 でもやはり、団塊の(同輩批判、「ダンコン男根!)」チェックは続けていくと思うのであしからず。