h.Tsuchiya

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夕立という風物詩

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 お盆休みに入ったはずの都心だが、結構、仕事に出ている人がいる。ご時世だから9連休もできる会社は少ないかもしれない。そんな勤勉な人たちの帰宅を、夕方7時少し前の夕立が襲った。大した振りではないが、傘を持たぬ人が多く、皆道路を走って雨宿りに忙しかった。この時期の夏の風物詩だから、自分は大好きなので、井上陽水の「夕立」なんか口ずさみながら、そしてザンザと濡れながら買い物から帰ってきた。

 葛飾北斎の浮世絵に、両国橋の夕立風景がある。うまいもんだと感心する。

 夕立は、何かの心象風景かもしれない。溜まっていた心の中のウン気やモヤモヤが、何かをきっかけにして心の中の暗雲を広げ、堰を切ったかのように土砂ぶりの涙になる。さしずめ今日の夕立は、終戦70周年の日本人への鎮魂だったのかもしれないし、世情のやりきれないような事件の連続を切なく憂う蒼茫たちの涙だったかもしれない。

 陽水の「夕立」の歌詞はこう終わる。「♪計画は全部中止だ 楽しみはみんな忘れろ 嘘じゃないぞ 夕立だぞ 家に居て黙っているんだ 夏が終わるまで 君のこともずっとおあずけ♪ Wah……夕立だ!」 なんだか意味深。東京五輪も中止してほしいんだけど……と雨に祈るのはワシだけかいな?