h.Tsuchiya

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人と人モドキの将来

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 20世紀芸術のテーマは、「人々の孤独と不安と憂鬱」だったと思う。これは21世紀に入っても基本的にはそのままだと思うが、21世紀らしさを追加するなら、「知覚の遮断」というテーマはどうだろう?人間の知覚(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚さらには一種の身体感覚も含めて)が、どんどん周囲の現実から遊離し、脳内の記憶を再生して感じるという迂遠な方法を取るようになり、リアルな周囲の刺激は、一旦、遮断してから遅延して受け入れるように変わっていくのではないか?

 こう考えたのは、やはりスマホの予測を超えた普及と、人々の没頭ぶりだ。電車に乗る、ベンチに座る、喫茶店に入る、仕事で休憩する……すると老弱男女を問わず、一斉にスマホを取り出して、そこに集中する。なかには駅のホームを歩いていても、車両をを運転していても、家族と食事していても没頭する人がいる。周囲の状況、生起している刺激にはまったくおかまいなしだ。この病的傾向は、ICTの発展で電子メールが急速に普及し、メッセージよりマッサージ(マクルーハン的)としてメールなしには暮らせない種類の人が出てきてから、ずっと継続しているトレンドだ。ただ、スマホの場合はスケールが違う。

 リアルな活動、リアルな接触、リアルな喜怒哀楽をなくし、一日にスマホを5時間以上離さないでいる人を「人モドキ」と呼んでも良いように思う。他人にさほど危害を加えるように思えないから差別的に扱うものでもない。ただ懸念するのは、かれらの身体や顔の様子が、どんどん人間離れするのではないかといいうこと。それは、映画「ET」あるいは「ロズウエル事件」以降、ポピュラーにンなった、宇宙人に似てくると思う。頭でっかち、手足が長細く、声は小さく、音声はボカロ軽油、眼(視覚)だけが異常に発達……てな具合。人類の進化を先取りすると言われるかもしれない。

 そうでないとしたら、「オタク」スタイル方向に向かう可能性もなくはない。デブ、メガネ、薄毛、ラーメン&ファストフード大好き、着るのもファストファッション。ほぼ引きこもり……。

 うーん、どちらにしても、人類の将来の恰好は、全然美しくないなぁ……。