h.Tsuchiya

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日本の「老働力」

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 派遣でいろんな現場に出てゆくと、同じ年頃の人々に会う。話を聞くとそれぞれにすごいキャリアや波乱の人生があって面白い。今日は倉庫の流れ仕事だったが、自分たちはカイゼンTQC(品質管理)の基本が「後工程への配慮=後工程はお客さん」にあることを知っているから、少しづつ改良しながら仕事を進めようとする。量やスピード不足は道具や手順の工夫でかなりカバーできることも分かる。移民導入も結構だが、日本には訓練された「老働力」が、まだまだ膨大にあるのだから、これを活かす対策が先決だと痛感した。

 モノ作りには進化のステップがある。まずモノを作る技術と道具が揃うこと。次に量とスピードを高めること。次に、品質や体裁に配慮すること、次に、デザインやセンスを磨くこと、最後に気配りというか思いやりを込めることだ。 単にPDCAを回すのでなく、そのスパイラルのステージが進化していくことを考えなくてはならない。

 こういう基本的な態度、考え方をしつけられ、血肉になっているのが、自分たち世代だという自負がある。

 「老害」なんていやな言葉で見られてしまうし、実際、その手の輩が少なくないのも知っている。なにせ数が多すぎるから……。でも、もったいないような技量、センス、経験を持っているのに、世間から求められていない能力の持ち主がものすごく多い。これらをどんな現場に立たせ、どんな仕事をしてもらい、どう評価するのかを、考えるべき段階だと思う。政治の力になんか頼らず、民間企業が色々試行錯誤すればいい。その「老働力」の吸い上げ、再配置、評価の仕組みに派遣という方法を使うのも悪くない。昔からの職場にお情けで定年延長されて、クソみたいな仕事をやらされている人は、もっと世間に出て、派遣登録して、新しい体験を重ねればいい。

 ただし、昔話の自慢をしたり、若い人や他人から積極的に学ぼうとしない人はダメだ。それこそ「老害」だろう。