h.Tsuchiya

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体を温める食材

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 中国人の友人と飲食して、その嗜好がよくわからないことがある。一緒にソバや豆腐を食べるのに、寒い季節になると食べない。理由は「体を冷やす食材だから」という。その流儀で、夏はコーヒーを飲むのに冬は紅茶、夏はほうれん草を食べるが冬はニラにするという。漢方(中医)や医食同源の考え方が庶民に根付いていることに驚く。よくわからんのが、今が旬の大根。これが温冷どちらの食材かは意見が分かれるらしい。「カブは間違いなく体を温めるよ」とのこと。だから今夜はカブとカブ菜を使ったアルヨ。

 現代中国の庶民の暮らし、価値観というのは、日本にはなかなか正確に伝わってこない。階層や地域、都市部、農村部、老若でかなり違いがあるのは当然だ。でも、いかにも「中国らしい」生活感覚がたくさん残っているはずなのだ。代表的なものが、旧暦正月の「春節」だろう。今年は、田舎に帰る人と都会に戻る人合わせて28億人も大移動した。米国ならクリスマス休暇がこれに近いが、日本で正月に帰省する奇特な人は激減している。

 食事だけでなく、風水も根付いてる。それは旅の方角から間取り、服装の色づかいにまで影響を与えている。庶民文学の「三国志演戯」「水滸伝」に基づく演劇や歌謡は、昼日中の公園でも見ることができる。毛沢東時代の文革の残滓も、価値観の一部にあるはず。ふつうの観光客が見落とすようなところに、本当の「中国らしさ」がある。

 ひるがえって、では、本当の「日本らしさ」ってなにがあるかな? 軽薄民族だから、何もかも断捨離してノー天気に暮らすだけになっていないだろうか?