h.Tsuchiya

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馬上少年過ぐ……

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 伊達正宗は、秀吉の怪しむ目線をからくもかわし、実質的には徳川家康に対抗できる力を持った。そのための陰謀を複雑にめぐらした。しかし、その全てが徒労に終わり、そのまま歳を重ねた。そして白髪の晩年になって以下の漢詩を詠んだ。この詩が自分はとても好きだ。 

馬上少年過 世平白髪多 残躯天所赦 不楽是如何
(馬上少年過ぐ 世平らかにして白髪多し 残躯天の赦す所  楽しまずして是を如何にせん)

 その意味は、「戦を巡るうちにいつの間にか、世間は平和になり、自分は白髪になった。この歳になったら、後は余生を天にまかせて、愉しむだけだ」ということ。

 時の流れは誰をも平等に押し流すように思われるが、それは違うだろう。死者と生者、老人と幼児、金持ちと貧乏人、男と女、親と子、病人と健康者、外人と日本人……それぞれにほぼ正反対なくらい、異なる時間が流れているはず。だから、時間の受け止め方も異なる。

 あと何回「春夏秋冬」(写真は新潟出身のヒルクライム)を過ごせば良いのか?と考えないこともない。しかし、それを気にはしない。歳とっても、生き方の名人は古今東西どこにもいた。ワシは「小言幸兵衛」と言われても、生き方を美しく&楽しく過ごしたいな、と想えるようになってきた。悪くはない♪