h.Tsuchiya

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久々の柿渋染

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 ハトコたちに進学・就職祝いとして名入れタオルを購入。ついでにタオルストールも買って、これはベランダで柿渋染に。2日ほどで薄いセピアに染まった。買ったままの生なりと比較したのが写真。天然素材と柿渋は相性が良い。


 柿渋染あるいは柿渋塗りは、昔から全国にあった。佐渡にいる頃は、柿が特産品だったこともあり、机に塗ったり、竹かごに和紙を張って一貫張りにしたりもした。島内各地で開催されたフリマではTシャツやバッグや帽子がよく売れた。

 福島や奈良、和歌山など柿をよく採れるところは、柿渋の活用も盛んだった。今、全国の自治体が、過疎地への移住とその方策としての起業支援を行っているが、天然染料での「染物業」復活も、一つの選択肢としてアリではないかと思う。樹皮、葉、根っこ、花、果実……紅茶や玉ねぎも染色材料になる。佐渡では海藻の「あらめ」でも染めてみたことがある。それにこういう天然染料は絹、綿、麻などの天然素材に向く。これも長い目でみたら、健康にも環境にも良いことのはず。ただしメンテナンスが欠かせない。労働集約の仕事だ。

 どのみち、田舎で暮らすには1本の収入チャネルでは無理。仕事をワークシェアリングして、色んな収入源を、たくさんの人たちとシェアする暮らし方しかない。それはコミュニティを再建することにもつながる。繰り返し継続して培ったノウハウが、次のブレークスルーを生むことに期待してもいいはずだ。

 福井県鯖江が眼鏡フレームで地域おこししたのも、熊野の化粧筆も、今治のタオルも、もともとはこういう新しい地場産業作りからだった。今、多くが苦戦しているが、衰退というより、ブレークスルーの過程とみるのが正しい。現に鯖江はチタン加工に活路を見出しつつある。