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爺歌26 「当世歌」の国民的?常識

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 津々浦々に舞台小屋を改造した映画館ができたのは昭和30年代初期だろう。これとラジオが娯楽の中心で相互が当世の人気を煽った。定番『与話情浮名横櫛』(通称『切られ与三郎』)があって、1954年『お富さん』(春日八郎)をホームラン級の大ヒットにした。これにあやかって翌年『青砥稿花紅彩画』(通称:白浪五人男)を題材に『弁天小僧』が出たがこれは二塁打級。競作だった三浦洸一版の方が売れた。歌から3年後に市川雷蔵主演で映画化された。「知らざあ言って聞かせやしょう」の名セリフも見せ場。……思うに、ストーリーや見せ場、所作、衣装の隅々まで、国民的常識があったのだろう。「縞の羽織を南郷に♪着せかけられて~」なんてのは登場人物の知識が前提だったろう。今どき、こんな国民歌謡はあるのかな? 余談だが雷蔵は1969年7月17日、37歳で鬼籍に入った。