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爺飯71 市長が嘆く「ボロネーゼ」スパゲッティ

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 挽肉と野菜をたっぷり入れたミートソース風のスパゲッティをサイゼリヤなどは「ボロネーゼ」(ボローニャ風)と呼ぶ。安い時に買ったトマト缶が「早く使えよ」と訴えているように見えたので自分も玉ねぎや鳥ムネ肉などを使ってソースを作った。これだけではコクがないから合い挽き肉やピーマン、セロリなどを加え、パスタと春キャベツを一緒に茹で、作り置きの味卵を載せて完成。自己流「ボロネーゼ・スパゲティ」……だが、そう呼ぶのがちょっとはばかられる。先月12日、イタリア・ボローニャ市長が「スパゲッティ・ボロネーゼはボローニャ発祥じゃない!」とネットで嘆いていたからだ。これには世界が驚いた。市長によると「スパゲッティ・ボロネーゼ」は他の地域で勝手に作られて流行ったもので、他のパスタを使った「タリアテッレ」や、肉料理の「ラグー・アッラ・ボロネーゼ」こそがボロネーゼ発祥の伝統料理だという。……これって、中華の天津丼や名古屋の「台湾そば」に本場が異を唱えるようなものかな?あるいは「カリフォルニアロール」を江戸前の職人が「あれは巻き寿司じゃない」と外道視するようなことかな……既成事実に押し切られた市長のムダな嘆きと見えるが、これもボローニャが世界最古の大学都市であり、イタリアきっての「美食の街」という誇りがあるのだろう。……たしかに、ボローニャには行ってみたい。そして中世の名残を残す赤い屋根の家々を眺め、長く長く続くアーケード(ポルチコ)を歩いてみたい。