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爺歌61 やっと判った『リンゴの唄』の秘密

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 玉置宏じゃないが、歌を紹介する決まり文句がある。その一つ、『リンゴの唄』は、「敗戦直後、悲しみと絶望にうちひしがれた日本人の心に希望のそよ風を運んだ曲」として紹介される……だが、どうしてこの歌が、この時期にヒットしたかの理由と経緯が不明だった。ワシはもちろん生まれてない!その謎が1本の映画から判った。……松竹映画『そよかぜ』(佐々木康監督、並木路子主演)は、1945年の終戦直後わずか2か月後に作られた。黒澤明の『虎の尾を踏む男』もこの年作られたが、公開されたのは3年後だった……映画の中では、『ポプラ並木』『そよかぜ』など3つの歌が流れ、作詞家3人の競作になったが、万城目正が作曲(作詞はサトウハチロー)・監修したことで彼の『リンゴの唄』が何度も流れてとても印象に残る 戦争で家族を亡くし、明るい歌が苦手だった並木路子は何度も万城目にダメ出しされたという。映画の歌をよく聴くと、前半の唄い方は後半やレコードと少し違って、「リンゴ~~の気持ちは良く分かる~♪」と音を伸ばす。そして曲は年末のNHKで流れてヒット。これを受けて翌1946年にシングル盤が発売された……リンゴは闇市で1個5円(勤め人の平均月給200円)もした。今、月給30万円ならなんと7500円!……リンゴは明治から栽培されていたからけして珍果ではなかったが、食料難の時代には果物はぜいたく品・憧れだったのだろう……憧れは心に火を点ける。「頑張ろうという気持ちにこの歌がマッチしたのだ」と、今になってやっと判った……ふぅ、自分の生前・生後の数年は、まだまだ謎だらけだ。