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爺本22 興行師・神彰を知っているか?

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 神彰(じんあきら。1922年6月27日‐1998年5月28日、興行師)という「呼び屋」がいた。 ……戦後復興期にドン・コサック合唱団ボリショイ・バレエ団、ボリショイサーカス、レニングラードフィルハーモニー交響楽団アメリカ大西部サーカス、ピカソゲルニカ展、イベット・ジロー、アート・ブレイキー、京劇などを招聘・興行した。コケ脅しに出資者の家にキャデラックで乗り付けるなどもした。また冷戦時の鉄のカーテンをこじ開けたことから「赤い呼び屋」と称される……1962年、作家・有吉佐和子電撃結婚。長女・有吉玉青をもうけるが事業の失敗により1964年に離婚。居酒屋チェーン「北の家族」の経営も手がけた。彼をモデルにしたのが大島幹雄の『虚業成れり』(岩波書店。絶版)……彼のような一匹狼の「興行師」は、今はほとんどいなくて、法人単位で手掛けられるようになった。神の後継者を探すと、神のアート・フレンド・アソシエーションに就職して仕事を覚えた康 芳夫(こう よしお、1937年5月15日 - )かもしれない。彼の場合は「興行師」と」いうより、「プロデューサー」と言われることが多いが自称は「虚業家」……富士スピードウェイでの「日本インディ開催」、「アラビア大魔法団」、石原慎太郎隊長の「国際ネッシー探検隊」、「オリバー君招聘」、「アントニオ猪木モハメド・アリ」のコーディネートなどTV向きが多いが、出版分野では、澁澤龍彥編集の『血と薔薇』創刊、『家畜人ヤプー』出版、『週刊プレイボーイ』での「三浦和義アナーキー人生相談」プロモートなども彼の仕事だ……「楯の会」の森田必勝、オウム真理教麻原彰晃も康の事務所に出入りしたなど胡散臭さプンプンでもある。彼については『虚人魁人康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝』(学研)などがある……うむ、胡散臭さも人を惹きつけるなぁ。ワシももっともっと胡散臭くならねば(笑)