h.Tsuchiya

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爺本25 『恐るべき子供たち』(萩尾望都)

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コクトー

 『ポーの一族』『11人いる』などで知られ、竹宮恵子と並んで男性ファンも多いのが女性漫画家の萩尾望都。彼女が1979年にジャン・コクトーの小説『アンファン・テリブル(仏: enfant terrible)』を漫画化(1979年)したことで、この作家と作品が日本でも広く知られるようになった……物語の方は、姉弟2人が暮らす世界に美少年が入り込んだことで起きる悲劇(1929年)であるが、この美少年が「年上の者を困惑させる子供」「型破りであったり思慮に欠けていたりする言動によって、仲間や関係者の体面を傷つける人物」、つまりンファン・テリブル、モンスター・チャイルドなのだ……だが、作品発表から半世紀以上たつと、「著しく型破りで、革新的、アバンギャルドであり、非常に成功を収めた人物」などと、若き才人を誉めるようなニュアンスが出てくる……それは作者コクトーの像を重ねるからかもしれない。何しろこの人、、詩や絵画・小説・映画・批評などアートなら何でも来いの「芸術のデパート」なのだ。写真の見た目は病的っぽいが、ちゃんと74歳まで生き、表題作の映画脚本も手がけている……今日、この本を取り上げたのは、日本人の「子育て格差」?が拡大しているかも、と思ったから。デキの悪すぎるガキと親の組み合わせを立て続けにみかけたのがきっかけだ(詳しくは別途書くかも……)