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爺歌77 『夢見るシャンソン人形』とフランス女

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フランス女

 シルヴィ・バルタンが初来日しTVで『アイドルを探せ』を唄ったのが1964年。プラチナブロンドの妖しい美女にびっくりした。この人、フレンチ・ロックの大物として75歳の現在も活躍中、と……歌の題と詞がそぐわないのが妙だったが、映画主題歌だったことと、当時「イエイエ・アイドル」としてフレンチポップを売り出したことに起因するらしい。「シャンソンは古い」と若者たちが声をあげたのだろう。……でもフレンチポップとしてもっとヒットしたのは翌65年のフランス・ギャル『夢見るシャンソン人形』だと思う。彼女の芸名を「フランス娘(GAL)」と誤解し、さらにルックスのキュートさから「いかにも可愛いフランス人形」と思い込んだ人が多かった(実はワシも)……本名はイボンヌ・ギャル(GALL:音的にはガル)だし、歌詞も「私は空っぽの音の出るおがくず人形よ」みたいなシニカルなもの。ゲンスブールが単純な詞を書くわけないか。この「お人形さん」は2018年1月に70歳で亡くなった。(なお『アイドル~』も『夢見る~』も日本では中尾ミエが唄った。違うだろ!)……歌手ではないが、フランス女繋がりでいうと、つい1週間前の12月14日、仏女優のアンナ・カリーナが79歳で亡くなった。映画『気狂いピエロ』(日本公開は1967年)の主役・マリアンヌ役などで知られるし、監督したゴダールの妻だったこともある。芸名はあのシャネルが付けたんだとか。この映画の役同様に私生活もハラハラの人。でも、昔から多くの移民が入り混血が進んだこの国は、国籍や民族ではなく、「生き方としてフランス人的であれば」認める許容さがあるように思う(??)。その意味でアンナ・カリーナデンマーク生まれだが、典型的な「フランス女(ギャル?)」だったかも……実は、野郎たちもベルモンドみたいに魅力的なんだが、また別の折に。