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調べたら愉し04 「夜桜お七」の「七」噺

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夜桜お七

 役人「時節柄、花見は自粛を」←江戸っ子「べらぼうめ!そんなら隠れて『夜桜』でぇ」。で強引に『夜桜お七』の噺。坂本冬美の「♪赤い鼻緒が~♪」(1994)だね……江戸情緒たっぷり、女(八百屋お七)の情念を感じるなぁ、とお思いきや2番で「ティッシュをくわえ♪」と来てちょっとずっこける。だが、これぞ作詞したプログレ短歌の林あまりの味らしい……「八百屋お七」を知らない人には西鶴の『好色五人女』がおすすめ。それよりも「お七」の読み方に興味がある。「おひち」と読んだ人は”ブーッ”、正しくは「おしち」である……勢い込んで話す江戸っ子は「ヒ」が苦手で「シ」になりやすい。東(シガシ)」「人(シト)」「百(シャク)」「左官(シャカン)」てな具合。ところが、名古屋以西に行くと、「し」が「ひ」になることがあって「質屋」は「ひちや」が常識らしい(写真は名古屋)……で、冬美ちゃんだが、バリバリの和歌山娘。この和歌山弁がまたクセモノで「さ行・ざ行」が「た行・だ行」になるというんだからややこしい。するとですよ……和歌山人で、ちょっとシャクレの人が素のままで唄うと『夜桜お七』はどうなるんだ? 「夜ジャくら~おチち~」になるかも。あ、シャクレは冬美ちゃんのことではないよ。ワシは「シイキ(贔屓)」だからね……おまけ。「明暦の大火」別名「振袖火事」もあった(1657年)。片想いしながら死んだ麻布の「質屋」の娘の振り袖が「呪われ」ていて、数奇な経緯の末に死者10万余の大火になった。こちらの方がゾワゾワする怖~い話だよ。