h.Tsuchiya

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旬の食べ物

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 旬とは、上旬、中旬などという言葉があるように、本来十日間の意味だ。食べ物の旬は十日しかない。それより速すぎても遅すぎても美味しくはない。それより速いのは「走り」で、遅いのは「名残り」だ。今日、スーパーで柿の「走り」を買ってみたが、みごとに失敗。和歌山産の平核無柿(ひらたねなしがき)は固くて、甘くもなかった。やはり10月に出る故郷佐渡の八珍柿」まで我慢することに決めた。

 

 一緒に買った「里芋」はまさに「旬の盛り」だった。芋こんにゃく、椎茸、手焼き竹輪などを入れて味噌味にした。肉味の強い芋汁にはしたくなかった。今夜一晩おいて、明日が食べ頃。ゴクリ! ちなみ容器は四谷の錦松梅の空き器、柿の方は益子焼

 人生にも旬があるはず。それは十日ではなく十年刻みのように思う。十年の節目ごとに、その時、その歳、その環境でなければ体験できないことを少しづつ積み重ねて、やっと「酸いも甘いも判る」年齢になり、人生の旬を味わえるのかもしれない。

 顧みて、自分はちゃんと人生の旬を生きてきただろうか? 六巡目の旬を超えて悔いることはないだろうか? しばし黙考……。かなり採点は甘いと思うが、ギリギリ合格というところかもしれない。残すべき家族も資産もないが、それなりに愉しく、それなりに哀しく生きてき

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たと思う。ということは……いつ、死んでも良い覚悟ができていなければならぬのだが、それはやはり無理だ。今生にまだ未練タラタラだ。悟れない時間を過ごし、あれもこれもすべて”やりかけ”のまま死ぬのが自然なような気もしている。 

 

 たまたま、今日、女優の川島なお美さんが亡くなった。享年54。この人は、たぶん何も後悔することなく、五巡目の「旬」を生き抜いた気がする。合掌!