h.Tsuchiya

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東京の銀杏はまだ少し早い

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 小春日和の週末、明治神宮外苑の銀杏並木まで散歩。おりしも「いちょう祭り」とかでB級グルメのテントが立ち並び、米国一番人気のハンバーガー店「シェイクシャック」の1号店開店もあって、人の数は落ち葉より多いくらいだった。肝心のイチョウは、黄色くなったのと緑のままのとが半々ぐらい。「金色の 小さき鳥の形して いてふ散るなり 夕日の丘に」(与謝野晶子)なんて風流な気分になるなら、新宿御苑沿いの玉川上水分水遊歩道がおすすめ(写真)。でも「添え色」役の楓や桜などの紅葉がないのが残念。

 植物の種としての歴史が古いために「生きた化石」とも呼ばれるが、たまに、枝から太い乳根が垂れ下がっているのを見ると、いかにも原始的なエネルギーを感じる。紅葉し、落葉するのに針葉樹の仲間だというのも不思議。またこれだけたくさん見かけるのに、レッドリスト入りした絶滅危惧種というのも不思議。ともかく東京都のシンボルになっているだけあって、都内約70万本の街路樹では一番多い。地域や道路によって種類が異なり、新宿近辺ではプラタナス(鈴懸)やトウカエデ、ハナミズキも多い。


 それにしても「イチョウ」はなんでイチョウと呼ぶのかも不思議。「銀杏(ぎんなん)」は実の呼び名だと思うが、これの中国方言読みから派生した節もある。「公孫樹」と書くのは明らかに中国風の当て字(尊称)だとわかる。ま、詮索はその道の方々にまかせよう。ワシらは、黄色くなった葉っぱが、まさに金色の小鳥のように、はらはらと落ちるのを眺め、炒った銀杏の殻をむいて塩をつけながら一杯やる方が楽しい。