h.Tsuchiya

My NEWS

681 爺歌53 「花鎮め」祭と『忍冬』

f:id:RIPEkun:20190408132145p:plain

 昨日まで都内各地で「さくら祭」がありどこも大混雑。一転して今日午前中は冷たい雨が静かに降った。人々を愉しませた桜花をねぎらうかのように……それとも、先んじて露払いの役を負わされた木蓮沈丁花の、後塵を拝することになった花水木やツツジや藤の、妬みや怨みを聞き届けた花の神が桜に引導を渡すための雨だったかもしれない。奇しくも今日は「灌仏会」(花祭り)。水を好んだブッダの配慮かもしれない。……桜の花が散るのは疫病神が飛散する兆しと感じた中世の人は、この時期「花鎮め」祭を行い、その伝統は今も続く。京都今宮神社は「やすらひ祭」ということや、奈良大神神社は「忍冬(すいかずら)」を供えるといった話は、かなり昔に、京都の歴史の先生に教わった。……その『忍冬』だが、『わかって下さい』の因幡晃が同名の曲を1985年にヒットさせた。「忍ぶという字は難しい♪心に刃を乗せるのね 時々心が痛むのは♪刃が暴れるせいなのね~」という歌詞(作詞:ちあき哲也)に「おぉ~!」と感心したファンもいただろう。……でも、これは「明日という字は明るい日と書くのね♪…若いという字は苦しい字に似てるわ」(アン真理子)程度のモンだろう。……てなこと考えながら四谷四丁目の交差点まで来たら異様な人だかり。タレント岡田有希子が自殺した(1986年)場所で、命日供養に献花する元ファンたちだった。……これも一つの「花鎮め」なのかも。