h.Tsuchiya

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「駕籠に乗る人、担ぐ人……」の迷宮?

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籠に乗る人担ぐ人

 「不要不急」業種・催事への自粛要請で、色んなサプライチェーン、バリューシステムがガタガタに……それに絡めて「①箱根山、駕籠に乗る人、担ぐ人、そのまたわらじを作る人、②捨てたわらじを拾う人、③欲深き、人の心と降る雪は、積もるにつけて道を忘るる」なる諺?を書こうと思い、まず出典を調べた……しかしこれが迷宮に入ることになるとは……ネットのうんちく野郎たちは、落語の人情噺「白子屋政談」に出てる、その『仇娘昔八丈』だ。いや歌舞伎の『吹雪花小町於静』だ、とか書いている。でもその落語や歌舞伎(黙阿弥)の台本まで調べたが、出ていない……とくに①のくだりについては、人たらし宰相・角栄の得意話と書いたのもあるが、これは秘書・早坂の持ちネタだ……本当に調べもせずに書いているのが多すぎる……この諺?は①、②、③がまるで別物。①は5・7調で「うん、よくできてる」と思えるが、②は急に品下がる。さらに③はこの句を「欲の浅ましさ」というくくりにしており、「世の中、階層社会で、色んな生業が繋がっている」という前半のトーンからはずれる。明らかに付け足しだ……③は、幕末のサムライ高橋泥舟の言葉というのもウソ。まして現役評論家・山本健治説は大ウソ。江戸の心学者・脇坂義堂の「道歌」だった。「道歌」というのは道徳的な教訓言葉集。「仰ぎ見る 富士の高嶺のそれよりも 高きは親の恵みなりけり」とか「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」みたいな標語っぽいのも多い……でも①と③の両方を枕話で使っているのが落語の『夢金』(志ん朝とか演者しだい)だが、実はこれも「底本」があって……やめた、やめた!どんどんラビリンスが深くなる……世の中もまさに先の見えない迷宮状態だけど、自分としては、隣の専門学校(休校中)に毎朝5時半から来て掃除をしていたオバサンが、このひと月姿を見せないことが気がかりなのだ。稼ぎがなくなって途方にくれていないかと…