h.Tsuchiya

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寛永寺「月の松」に癒されたよ

 上野広小路から京成上野駅前を通るのが中央通り。基準道路なので、たかが「幅寄せ」(車線変更依頼)といえども有資格の警備員が配置される。だが、半日もやっているとイライラが溜まってくる……車線変更せずにギリギリですり抜ける田舎モン・アルファード、少しでも有利な歩道側車線を走ろうと執着するタクシー、歩道の赤信号を無視して突破するデリバリーバイク、ブリンカーなしで割り込みをしようとしてハブられるモタモタ運転等々、こちらはあくまで「依頼」する立場で強制力はない(警備業法15条)。イラつきが高じると八つ当たり。歩道でパチンコ屋の開店を待つ連中にも腹が立つ。ほとんどが40歳以下の連中が200人以上もいる。「くそ、まともに働かんかい!」と。『枕草子』には「あさましいもの」尽くしがあるが、「いじましいもの」尽くしが書けそうだ。
 昼休み、西郷さんの銅像傍で手製サンドにパクつく。近くには寛永寺清水堂がある。観音様を祀って櫓組の舞台を付ければどこでも「清水寺風」のできあがり(佐渡にもある)。そしてここには松を撓めて丸くした「月の松」があり、舞台から見ると丸の向こうに不忍池弁天が見える趣向になっている。広重が描いた浮世絵にもあるが、現在の松は平成24年に作り直したものだそうだ。盆栽芸もここまでやると少し引くが、江戸庶民は喜んだことだろうとニヤリ。。するといつしかさっきまでのイライラも解消した。
 街に戻り、ふと気づくと「都美術館」の広告バナーが目に入る。7月23日から始まるボストン美術館所蔵品の「芸術×力」展の告知。この「力」は権力者の意味。ずっと延期されてたやつで面白そうだからぜひ行きたい。やはり上野は多面的な魅力が一杯の街だな。時に腹も立つけど(笑)