h.Tsuchiya

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『生きる』のリメイクと「公園」の今

 来春、東宝が配給することになったのが、黒澤明『生きる』の英国リメイク版(英題「LIVING」)。脚本はカズオ・イシグロで舞台は第二次大戦後の英国。すでに各地の映画祭でも上映され、とくに志村喬の役を演じたビル・ナイの評判が良い……今のところ、予告編しか観れないがイシグロの脚本は、死病を知った衝撃、元気な若い娘、公園プロジェクト、ブランコのシーンなどオリジナルを活かしたものらしい。でも主人公の葬儀の後で、また退屈な小役人生活に戻っていく同僚たちの姿も描かれているのかどうかは分からない(これが一番面白いんだけど)。ともあれ、劇場に観に行きたい映画だ。
 それにしても1950年代は「公園作り」に夢があったことが感慨深い。今、日本の公園はダメダメルールで一杯。設計者たちが描いた「使われ方」から逸れ、維持管理も大変な施設になっているかに見える。その管理も民間に外注。業界団体の日本公園緑地協会は「公園管理運営士」なる資格を作って認定試験(受験料高い!)をやっているが、何をする仕事なのかよくわからん。
 今日、大田区萩中公園の一角(ガラクタ公園)をのぞいた。SLや都電、消防車まで置かれて設計者の「思い」は伝わったが、噴水も停止、やたら禁煙の掲示と無視するジイサンたち……どうも公園には「夢」がなくなってきた気がする。