自分の生活の半分は警備員だが、残り半分は「もの書き」だと思っている。とくに今はガイジン向けのでかい本のために山ほどのプロットを用意することに集中している。例えばこんな感じ……
主人公の若い帰国子女が率いる外人ツァー一行がついたのは「ことだま百貨店」。案内役に出てきたのは黒衣(くろこ)姿の3人組。まず名乗りから。
A「私はサイトウです」、B「タカハタです」、C「ワタナベです」で、それを漢字でどう書くかを当てろという。まずは客人の「言霊力テスト」だ。
で辞書を使いながらツァー客たちは答えてみるが「斉藤、斎藤、齋藤?」も全敗。答えは「才藤」だった。TikTokで英国のコメディアンが日本で笑バーをやっているが、ホストBJ Fox氏は、3つのサイトウを英字でこう書いた「斉藤はSAITO、斎藤SAITOHほらOHTANIみたいでしょ(笑)、斎藤はゴージャスだからSAITEAUXね(爆笑)」(ちょっと仏語っぽい。うまいね)。で「タカハタ」は日本製の漢字(=国字)である「畑でも畠」でも「高幡」でもなく「高旗」だったし「高」の字もおなじみの「髙(梯子だか)」でひとモメ。「ワタナベ」は「辺」の字がたくさんあるが、答えは「渡部」だった……てな具合で名前漢字当てクイズに全敗したツァー一行は「漢字を覚えるなんてムリだぁー」と絶望するのだった。でも漢字を巡るドタバタはこのあとも続く。
この3人のクロコの後ろには本当の案内人・老師「イチゴンさま」が控えているが、まだ登場しない。次に一行はイマーシブなVR店内に入って行き、大きな吹き抜け会場でホログラムによる日本神話オペラを観る。どうやら「天岩戸」らしい……
てな調子なのです。ちょっと濃すぎるかもね(笑)