h.Tsuchiya

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よか男たちの時代

 YouTubeで偶然に昔のNHK大河ドラマを観た。1980年の「獅子の時代」(脚本:山田太一)である。ボクはこの頃何かと多忙でリアルで観てはいない。菅原文太加藤剛大原麗子大竹しのぶなどがみな若い。そりゃそうだ。なんたって35年も前のことなんだから……。

 話は全くのフィクションであるが、幕末から明治へ、西南戦争なども含めた動乱の時代が舞台であり、話はなんと1867年のパリ万国博に出展した幕府と薩摩の小競り合いから始まる。

 ストーリーを追う気はないのだが、山田太一の脚本は実に上手い。手馴れていて毎回盛り上げながらもスト―リー全体のツボを押さえているから破たんはない。

 当時の反響はよく判らないし、決して高い視聴率ではなかったようだが、ボクには面白かった。理由は、あの時代の日本の「よか男たち」を描いているからだと思う。

 武骨で、当時の西洋人からは「野蛮人」と揶揄された日本人だが、男たちの純情ぶり、愛らしさ、凛々しさがなんともいえず好感が持てる。ドラマの上なのは承知だが、こういう男(漢)たちが、つい最近まではたくさん生きていたのをボクらは知っている。その血筋が150年も経つとすっかり薄れてしまったのかもしれないが、背筋を伸ばして歩く男を時々見かけると、ひどくなつかしくなるのはなぜだろう?

 ボクの同級生たちは、会うといつも「孫の話」「年金の話」「持病の話」しかしない。こんな奴らと時間を共有するのはもったいないと思う。代わりに、ボクらより若い世代の中に、気持ちの良い男たちが、輩(ともがら)が何人もいる。

 今の時代、「右も左も、真っ暗闇♪」みたいな日本であるが、それでもこの国が好きなのは、こういう「よか男たち」がいると信じられるからだと思う。

 誰か、「よか男たち」をもっとボクにも紹介してください。もちろん「よか女たち」も大歓迎です。ははは……

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