『タモリ倶楽部』は1982年から続いているTV番組だが、1995年年末のものを見ていたら、タモリ(1945年生)と井上陽水(1948年生)が公園でブランコをしていた。当時47歳の陽水はブランコからの飛び降りができた(写真)のに、当時50歳のタモリは「あれれ、できないよ」と自分に驚いていた。似たような話だが、先月、中学校の同級会幹事からの案内状に、「鉄棒の逆上がりができなくなっていて驚いた」と添え書きしてあった。誰しも「老い」は初体験だが、さて、果たして今の自分に「飛び降り」や「逆上がり」ができるだろうか? 今度、どっかの公園で試してみようかな。”頭の筋力”(記憶力)のチェックはとうに諦めたけど……
爺飯32 「饅頭茶漬け」チャレンジャー
森鴎外の好物が「饅頭茶漬け」だったことは、その娘や息子たちがバラしてしまった。ファザコン茉莉に言わせると「支那のお菓子のようだったり、淡白(あっさり)した、渋いお汁粉のようだったり、どっちも美味しい」。これに刺激されてかブログ(例:http://portal.nifty.com/2010/10/02/a/)やたくさんのまとめサイトが食レポを載せている。羊羹の虎屋もこれを紹介している。「ゲッ、ご飯に甘いものなんて!」という人はおはぎを食べる資格がない。また、今のところショートケーキやプリンでやった人の例は見てない。「じゃ、ワシがチャレンジ……」いやいや、チャレンジは実生活で満腹だから止めとく。
秋の夜長のmegillah
「Walk,don't run」は、1955年のジャズのヒット曲、60年と1964年にベンチャーズがカバーして大ヒット。サーフィン曲ブームに乗ったのは後者。これは66年の映画題名にもなった。舞台は64年五輪真っ最中の東京。主役はヒッチコック作品の常連で2枚目半のケーリー・グラント。監督C.ウォルターズが戦前の自作をリメイクしたもので、ビジネスマンがホテルをとれず、若い女性のアパートに間借りすることから始まるコメディという設定は同じ。題名は副主人公が、米国の競歩選手という設定だから……。当時の東京風景などツッコミどころ満載だが、中味は会話の妙。その話は長くなるから置いとくが、この題から「急がば回れ」と直訳するのは間違いだった。この諺は日本の琵琶湖生まれだ。似たような意味で拙速を英語でいうなら「Haste makes waste」……いくら秋の夜長とはいえ、これも長話(megillah)になるから今夜はここまで。
男は、女にゼッタイ勝てない!
今、今年になって6冊目の本を書いている。そのうち著者として名前を出すのは半分。平均2ヵ月に1冊、職人芸に没頭できる。これはオモテに出るのが苦手な気質に加え、ウラに回ってプロデュースや編集、操作する方がずっと面白いという「禁断の味」(政治力?)を知ってしまったせいだ。もし、「自分もそうだ!」と言う人がいたら、ぜひ見て欲しいのが『カッティング・エッジ』(The Cutting Edge)だ。ハリウッド映画のウラで活躍するフィルム編集者たちを取り上げた98分のドキュメント(注:同名のスケート映画は無関係)。つまり「メタ映画」。今、YouTubeでは消されているので、無料で観たければ無法中国の動画サイト「YOUKU(优酷网)」しかない。……今夜見直して改めて思ったことは、「編集者(Editor)は最初の観客ないし読者」ということよりも、「男は、女の”編集力”にはゼッタイ勝てない!」ということ。キャロル・リトルトンみたいな賢い女には、自分の運命を黙ってすべて委ねるしかない。理由は……観ているうちにわかる。
やっぱ「現場」に出ないとダメだ!
昨日20日のニュースで一番気になったのは……「NTT、量子コンピュータ公開」だった。2000年頃に理研の筑波研究所に行き、当時、この分野でトップを走っていた蔡さんに話を聴いたがチンプンカンプン(←死語!)。その後、このテーマから離れていたが、GoogleやIBMの動向は気になっていた。だが、昨日のニュースには少し唐突感があった。理論や性能の話でなく主役(プレイヤー)関係が良く見えない。各メディア報道も通信社配信をなぞっているのが多い。半年前には「日本またも出遅れた」と書いていた連中だが、彼らにも「!?」だったはず。PMの山本喜久氏は「量子コンピューターを日本のお家芸としたい」と言う。……本当に記事が深くなるのはこれからだろうが、現場で取材を続けていたら自分も骨太な記事が書けたかもしれないと思うと、ジレッたい気分だ。