h.Tsuchiya

My NEWS

ふるさとは近くに寄りて……

f:id:RIPEkun:20180427225747p:plain

 1年半ぶりに島に帰省。遺品整理目的のわずか5泊6日の短期滞在。だが今冬の寒波で室内水道管が破裂。風呂にも入れず炊事もままらなかった。しかしそこはふるさと。仲間が飯に誘ってくれたり、筍ごはんを差し入れてくれたおかげで生き延びた。あまつさえ、不思議な老婆ママのスナックで久しぶりのカラオケ。ママ世代に合わせて「ルイジアナママ」をモノマネで披露。街を歩けばいずれも知った顔ばかり、50人以上の人と立ち話で久闊を序した。菩提寺は名物だった苔が蘇り、踏み石も新調されてすがすがしかった。帰京する前日の大佐渡夕景。田植えに向けて水を張った田に空が映じて美しかった。犀星は悲しみと反逆を込めて「ふるさとは遠くにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」と詠じたが。年とってみると「ふるさとは近くに寄りて憩うもの そして愉しくうたふもの まして「おけさ」の島なれば、雀とともに 踊ってもみよ」と呟きたくなった。次の帰省は7月だな。

ネット動画マニア御用達のサイト

f:id:RIPEkun:20180421220551p:plain

 ネット動画には、様々な場所で起こった事故や失敗、そして無茶な行動などが掲載されている。その殆どは、どっかで見た映像のコピー。これらをたくさん見ている動画マニアが面白がっているのが「2BCTND」(To Be Continued:つづく)のサイト。どのハプニングもその問題が起こる瞬間に止まり、そして「To Be Continued(つづく)」というテロップが表示される。マニアたちはその元動画と結果も知っているが、初見の人は「結末どうなった?」と苛立つ。そこで「Meme(ミーム)」となる。知っている人たちに聞くなどすることで拡散・模倣される。どの動画が一番拡散されるかを見守る、まさにマニア向けなのだ。代表的なものとして「To Be Continued Meme Compilation 」(by Dont_158)のサイトがある。ネット動画の楽しみ方はちょっとビョー的に進化してるぞ。

風変わりな本作りました!

f:id:RIPEkun:20180417214004p:plain

 誰しも加齢による体調変化は避けられない。嚥下機能や滑舌が悪くなる、顔面が垂れ下がる、新しいことが記憶できない……等々。これらを放置せずに少しでも機能維持したければ、インナーマッスル体幹筋)を鍛えるしかないが、運動が嫌いになる人も多い。でも顔や口の筋肉を意識的に使い、腹式呼吸を覚えるだけで鍛える方法がある。それが中学レベルの英語を使ってネイティブっぽい発音に変える「英語発音体操」。自分が企画・構成したが、書いたのは翻訳会社社長の杉本享子さん。彼女自身の体験を踏まえ、朗読体操の専門家らがコラボして完成。DVD付き1800円。介護されたくないための予防にも効果的!買う気になってくれたら、土屋までご連絡ください。

今日の気分は「人間シュレッダー」

f:id:RIPEkun:20180415194342p:plain

  人はモノ・ゴトに囲まれて生きている。モノは死後、産廃で処分できるが、コト(事象)の始末は簡単ではない。人間関係や各種契約、法規の網の目が絡んでいる。人が生きているというのはそうした網の結び目を1つ担っていることかもしれない……なんて哲学的なことは後付け。今日は気まぐれで、再上京以降の、いろんな書類を片っ端から「人間シュレッダー」になって破り棄てた。相続や保険、カード会社の約款、役所の通知などなど。残ったのは薄手のファイルホルダー半分だけ。わが人生、なんと薄っぺらいことか! でも、佐渡の実家には両親からのモノもコトもまだまだ遺っている。今月下旬に帰って、廃棄を請負ってくれる人を探さねば……。それを考えると帰省が憂鬱になる。地元の皆さん、勝手に持って行って良いよぉ。

「あぁ、あやかりたい、あやかりたい」

f:id:RIPEkun:20180413181910j:plain

 隣地に大きな駐車場ができた。左手のアパートも壊す計画で、もっと広がるらしい。地主法人の代表は52歳の女性。大学生の頃にジャズバーを開業して次々と多店舗化。それもケチ臭い居抜きでなく、一流の店舗デザイナーを起用して大改装するやり方。30年経ち、今や都心の盛り場に20店舗を展開。商才と運を味方に男に喰いモノにされることもなくやり遂げた人生、早くも事業承継を考えているんだとか……いやはや大したものだ。大家さんと一緒に、ため息つきながら「あぁ、あやかりたい、あやかりたい」と眺めている。でも、よっく考えたらワシにできる商売じゃない。「人生が2度あれば~♪」(陽水)でもムリ。ちんまりと、低空飛行するだけでイッパイの人生だもん。

爺本09 米村圭吾の『風流冷飯伝』

f:id:RIPEkun:20180410170405j:plain

 BookOffの100円コーナーで気まぐれに買った1冊。讃岐に流れてきた江戸のタイコ持ちと、地元武家の「冷飯ぐい」こと次・三男らが繰り広げる喜劇。ハイライトの将棋対決にちなんで、この本からいろんな将棋用語を教わった。千日手振り飛車、雪隠詰め、都詰め、美濃囲い、『将棋無双』……。編集屋根性で、藤井聡太の「神手」を分かりやすく解説した本を書かせるならこの人だなと思った。面白かったから他の本も買いに行って、計7冊読了。新潮文庫のシリーズは、藤沢周平の「海坂藩」と同じく架空の「風見藩」が舞台。話が全部リンクしている。『退屈姫君』のキャラが人気だったらしいが、『面影小町伝』だけ語り口も中味も変化??新潮社の編集担当との間に何があった?著者の人となりもよくわからん。ちょっと気になる人である。

爺本08 宮部みゆきの『おそろし』

f:id:RIPEkun:20180410170252p:plain

 人気作家宮部みゆきが得意なのは「江戸・怖い話」。『おそろし』(2008年)もそれで、NHKBSでは波留主演で14年にドラマ化された。脚本・演出の金子が要領良くつまんでホラー仕立てにした秀作だったが、原作の印象は違う。「怪しい物語」をしに来る客たちの話を聴くうち、語り手も主人公の聴き手も、ものごとの表裏は合わせ鏡であることに気づく。その転換、止揚、深掘りが絶妙。誰の心にも邪悪なものと聖なるものが共存する。それを認めて慈しもうとする「やさしい怪談、怪談の心療内科」(縄田一男の評)なのだ。だから人々は共感し癒される。作品にムラはあるが、その「人間通」ぶりは、大沢・京極らとの『大極宮』という著述環境で引き出された天稟かもしれない。まだ?58歳、還暦過ぎてから書くものが楽しみだな~。