h.Tsuchiya

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「文芸もの」三昧だった5月

 5月に入ってからバカみたいに小説を含む「文芸もの」に浸っていた。何かに集中しだすと止まらない癖はあるが、今回は読みたくなるネタ(燃料?)が次々出て来たために気づいたらひと月も経っていた。
 きっかけは無性に幸田文を読み直したくなってアマゾンから4冊も買ったこと(『崩れる』『台所のおと』など)だった。次はイオさんにまた誘われて朗読劇で上演された泉鏡花の『天守物語』を観劇(洗足学園音大)。その余波で青空文庫で鏡花ものばかり5冊(『高野聖』『義血侠血(=瀧の白糸)』など)、前者の「山ヒル」に襲われる場面や後者冒頭の馬車と人力車の競争場面など見事。天性の「語り上手」だわ。また別の情報源でインドの砂漠緑化に貢献した”グリーンファーザー”こと杉山龍丸を知ったが、この人実は夢野久作(本名:杉山直樹)の息子。久作の父は快男児の国士杉山茂丸。この杉山一族はタダ者じゃない。ついでに久作の『近世怪人伝』と『いなか、の、じけん』を読んだ。愉しい傑作だ。
 小説ではないがYouTubeのアニメで萩尾望都の『11人いる』『ポーの一族』、漫画で諸星大二郎の『復讐クラブ』ほかのドロドロもの、本宮ひろ志 『まだ生きている』。最後はイシカワ君から借りた『ユリイカ 高野文子特集』と彼女の『あたらしい仕事』。この人、普通の女流漫画家ってククルとガバッとはみ出してしまう才人!
 広義の「文芸もの」三昧も振り返れば全部昭和以前のものばかり。もう読む人もいないだろうし、読んでも意味不明だったりタイパ(time perfomance)的に耐えられないだろうなぁとシミジミしちゃった(笑)