h.Tsuchiya

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「タイム・イズ・ノット・マネー」かも

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 帰省にあたり、往路は高速バスとカーフェリーと路線バスを使った。朝6時半に出て家に着いたのが15時半。9時間要して、費用は1万円弱。これが急ぐときは、新幹線+高速船(ジェットフォイル)+タクシーの組合せになり、費用は2万円強、(運が良ければ)4時間だ。この比較。時間差5時間分を経費差1万円(1時間を2000円)で買うことになる……「タイム・イズ・マネー(時は金なり)」という警句は、「100ドル札の男」でも書いたベンジャミン・フランクリン。「ご教訓カレンダー」で当てた印刷屋でもあるが……一般にその意味は、「勤勉たれ。時間を無駄にするな」と理解される。「勤勉」が18世紀欧米のトレンディな言葉だったというのは余談。現代では、これを「機会費用(オポチュニティ・コスト)」とか言う言葉と繋いで使い、ビジネスマンの尻を叩く啓発屋や投資を煽る連中もいるが、まだ世間に生きている言葉ではある……だが、人は、効率・利益だけをものさしに時間を管理しているわけではない。心身の慰労や娯楽、他者との交遊などに使う時間も惜しまない。旅での移動や待合での待機のように「無為」の時間を強いられることもある……実際、帰路は前述の「急ぎ」コースで帰ったものの、疲れて寝ただけだった。「急(せ)いている」状態がどうも合わない。若い時分はせっかちで「生き急ぐ」人間だったが、この頃は「タイム・イズ・ノット・マネー」だと思う。もうすぐ70歳になるからかもしれない。フゥ、生きすぎたよ。

「実家譲渡作戦」中間報告

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 3泊4日で帰省し、空き家の実家を手放す「作戦」に着手した。「無償譲渡」のA2判ポスターとチラシ20枚を用意し、到着早々、近隣・知人5人にチラシを渡した。皆驚いたが、異口同音に「これを大っぴらにするのは少し待て」と言う……翌日には行政やTV新聞ケーブルなどの島内支局にリリースを届け、家の前にポスターを掲出する予定にしていたので、この反応にはとまどったが、制止した理由はすぐに判明した……その夜から翌日にかけて4人から「自分が欲しい」「知人を紹介したい」などの連絡があり、早速、「下見」に来た高齢者夫婦や、「100万円なら出しても良い」という人、「譲渡契約書」の下書きまで持ってきた人もいた……チラシ5枚で4つの速い反応(80%!)、もしメディアで報道されたりポスターを出していたら、そのその反応はもっとすさまじかったかもしれないが、台風10号のお陰?で作戦の後半は中止。まずは、熱すぎるリアクションのクールダウンを見守ることにした……やってみてわかったのは、「島内(地域内)移住」の潜在ニーズの大きさだ。50~60代で(親が90代)、老朽化する家を抱え、売るのも貸すのもままならぬまま「塩漬け」になって動きがとれないのだ。「UIターン向け空き家」構想は非現実的だ。仲介不動産屋は値付けから狂っているし、ハード・ソフトのメンテナンスはゼロだ……「コンパクト、コンビニエンス、コスト・フリー」の3Cで「空き家」を無くし、町場に人を集めること。旧町村や集落の「自治体法人」化を推進し、まずは小さな規模の「住の流動化」を起こす必要がある……ちょっと半端な途中経過ですんません(続きは後日)。

爺本26 司馬遼太郎 『故郷忘じ難く候』

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チンジュカン

 短編3本の表題作は陶工・第14代沈壽官(チンジュカン)さんがモデル(彼は令和になって亡くなった)。書評については、ブロガー「新・遊歩道」さんのものがとても素直ですばらしい https://blog.goo.ne.jp/tkgmzt2902/e/139473fd68aa5457ebe31d0d0a34e866……一部引用すると、「苗代川は秀吉の朝鮮出兵の折に捕虜として日本に連れてこられた朝鮮人の村でした。そこで14代沈寿官と出会います。」「活発な作陶活動が始まります。独自の白薩摩、黒薩摩を世に送り出しました。幕末の薩摩藩は十二代沈寿官を中心に洋食器も作り、長崎経由で輸出して巨利を得ました。パリ万博、オーストリア万博での出品も薩摩焼の評判をさらに高め、この時が苗代川のもっとも盛んな時でした。」「14代沈寿官氏が招かれて渡韓した時に、ソウル大学で講演をしました。
『韓国の若者は誰もが口をそろえて三十六年間の日本の圧政について語ります。もっともであるが、それを言いすぎることは若い韓国にとってどうであろう。言う事はよくても言い過ぎるとその時の心情は後ろ向きである。新しい国家は前へ前へと進まなけばならないというのに・・・・・・あなた方が三十六年を言うなら、私は三百七十年を言わねばならない。』この時、沈氏の言葉は学生たちの本意に一致しているという合図を歌声にして湧き上がらせました。この言葉を日本人が言ったとするなら学生は反発したでしょう。しかし沈氏が何者であるかを学生はすでに知っていました。学生たちは沈氏へ友情の気持ちを込めて歌ったのでした。沈氏は壇上で呆然となり涙が止まりません。」……韓国大統領は何かにつけて壬申倭乱を話題にするが、こんな深いエピソードは知らないようだ。もっと大人の日韓関係史を学ぶ人には必読だ思う。

「家・土地をタダ、さらに10万円あげます」

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家・土地あげます

 実家処分計画を実行に移すことにした。計画通りなら「田舎の空き家」に困っている人たちに、一つの方法を示せるかもしれない……頻繁に帰省して多大な労力と時間と資金を使って「買い手」を探すなんて、もう無理だろうと思う。……「投機・転売目的はお断り」と書いたが、そういう人は必ず出てくるだろうし、「片付け謝礼金」とした10万円だけが目当てという人もいるあもしれない……国などがNPOで「ランド計画」を進めるようだが、どこに問題があり、どんなノウハウが必要かも分かるかもしれない……今度の15日夕方から18日昼まで佐渡に帰るので、ともかくこのチラシを色んな「インフルエンサー」(影響力ある人)に届けるのが先決だと思っている。拡散・転送お願いします。

ほぼリアル「就老(就活老人)日記」(その37)

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熱中症

(朋輩たち、死ぬなよ!)
 交通警備の仕事を始めたのは去年11月下旬だった。終日露天だから冬の寒さ対策に気を使ったが、先輩たちは一様に「キツイのは冬より夏だぜ」と警告していた。その夏が来て、連日キツサを痛感している……総務省によれば、7月29日~8月4日の1週間に熱中症で救急搬送された人が全国で1万8347人に上り、このうち24都道府県で57人が死亡したと発表……わが朋輩たちも7月26日に埼玉で男性警備員(66)が、8月2日には・江東区交通誘導員の女性(46)が亡くなっている。「具合が悪くなった」程度で統計値にのぼらない数は、このひと月でおそらく数百人にのぼるだろう……建築現場の土工など職人たちは、ファンを内蔵した「空調服」を着用する人が増えているが、警備業界は所轄の公安委員会に遠慮してこれを認めていない!自衛策としては規定違反承知でせいぜい首に「アイスノン」を巻くか袖まくりするしかない.。ドリンクについて「ポカリよりOS-1が効く。でもこれをウマいと感じたらもうヤバイ」なんて苦笑いだ。……これでは一層”ブラック労働”視されるのに、会社のホンネは1万円前後の装備費増を嫌がっているのだ。大局がわかっていない経営者ばかりだ……ワシの今の現場は比較的熱中症予防を気づかってくれているし、クーラーや冷蔵庫付きの詰め所もある……外のベンチには「熱中症指数計」もある。温度・湿度・輻射熱から割り出す「WBGT(熱中症指数)」は、「28℃」が目安。環境省でも毎日HPで地域別の指数を発表している。こうしたものを参考にして、朋輩たちよ、どうか死なずに生き延びて欲しい。空には秋の兆しのウロコ雲が出ている。もう少しの辛抱だから……

 

爺歌70 「リフレイン~♪」という英語

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refrain

 エヴァンゲリオンの『残酷な~』ではない方の主題歌が『魂のルフラン』、ジブリ『コクリコ坂』の『さよならの夏』にも「ルフラン」の歌詞、ワシにはちょっと苦手な3代目なんちゃらも『リフレイン』等々。ルフランorリフレインという言葉が使われる曲はたっくさんある。「輪廻」に似て一種の無常観があるからかなぁ?日本人は、「繰り返す」という意味の「リフレイン(ルフラン)」が好きなようだ…………でも今日、地下鉄車内のステッカー「マナーモードに設定の上、通話はご遠慮ください」を見て、違う「リフレイン」に気づいた(この日本語「~の上」というのが、厚かましい感じだと評判が悪いがそれは置いとこう)。要は、これに添えた英訳文。「Please set your mobile phone to silent mode and refrain from making calls.」とある……この場合の「refrain from ~ing」は「~をお控えください」という「お断り」の意味。「Do not」より丁寧な感じになる(ようだ)……何で、まるで意味が違うのに同じ単語なんだ? 元は別々のフランス語だったらしい。そういえば、こういう同スペル異義語には、Bank(銀行/土手)、Right(右/正しい)、Date(日付/デート)なんてのもあるなぁ……ともかく、英文が増える日本では、「禁煙」や「ポイ捨て禁止」などに「refrain from ~ing」が多用されそうな気がする。

爺飯84 王国・新潟の「十全ナス浅漬け」

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十全ナス浅漬け

 さっき調べて知ったのだが、ナスの作付面積では新潟が日本一、なのに出荷量は全国20位。それだけ県内で食べてしまうということだろう。たしかに自分も夏はナスをたくさん食べた。だが、同じ県でもワシの育った佐渡は食文化が違う。丸くて巾着のような「十全(じゅうぜん)ナス」がなかった(今は作っているかも)……親の転勤で移った新潟市で初めてその浅漬けを食べ、子供ながら「なんて旨い漬物か」と感動した。十全町という場所を発祥とし、魚沼から中越新潟市周辺で栽培されるこのナスは「新潟ナスの女王」だと思う……今日、仕事現場でコンビを組む先輩から自家製の浅漬けをもらった。先輩の元稼業は八百屋さん。自家製漬物も売っていたというし、その義姉さんがつくった「十全ナス」を新潟県人の奥さんが漬けたのだから、本場&プロの味。元の品種は泉州(大阪)の水ナスだというから、ナス好きなら想像できるだろう。「ガブリとかむと、皮がはじけて漬け汁がジュッと飛び出してくる。他の漬けナスにはない、ジューシーな甘みがたまらない」とネットで評価する人がいたが、その通り。紺色と果肉の薄黄色も美しい……これを土産や通販で買うと安くない。3パック(9個)で2850円(税、送料込み)とかになる。ま、他の店も1個100円ぐらい……そのありがたみも旨さのうちだったかも。