h.Tsuchiya

編集と広報のお手伝い & My NEWS

ほぼリアル「就老(就活老人)日記」(その13)

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 冬至前のこの季節、まだ日が昇る前の6時半頃から街が動き出す。コンビニの日配品配送、自販機の飲料補充、大きなビル前の落ち葉掃き、建設現場ゲート前の警備員集合、分別ゴミ1番は持ち去り警戒の缶回収(のべ4種別々)、駅から上がって来るのは厚着した職人たち……皆、この町の便利さ、清潔、安全、生産を支えている。早起き散歩の老人が自販機補充の若者に声をかける。「寒いのにご苦労さんね」と。老人が「子や孫にも就かせたい仕事」と思ってくれているわけではないことも判る。だが、そのひと言は、寒さや眠気も忘れるほどうれしい。……そしてほぼ30分ごとに街の人々の様相が変わって行く。マフラー、コートのビジネスパーソンが増え、現場へ急ぐトラックや重機が急に増える。通学の子どもたちが出てくるのは8時頃……朝早い仕事に出るようになって、街がゆっくりと目覚めて行くのが感じられる。取材日以外は朝寝三昧の毎日だったのをもったいなく思う。

ほぼリアル「就老」(就活老人)日記(その12)

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 「独居老人」の是非論議がやかましい。たしかに2025年には、男性が約230万人、女性が約470万人(←これがスゴクナイ?)になるのだから無視はできない。だが、「独居老人=孤独死」のようにパターン化して論議するのは異常だ。自分は「ジジババの独居もまた良し」派だが、逆に否とするのにも一理ある。とくに「老人、独り暮らし、無職」の”三点セット”の場合だ。「老人」であるのは避けられないとして、「独り暮らし」については、古人が「良くない」と断じている。有名な「小人閒居して不善を為す」(四書『大学』)がそれ。ちょっと余談。これを「閑居=ヒマ」と覚えていたが、これは間違いだった。正しくは「閒」(内田百閒の閒)の字で、「独り住まい」の意味である。「閑」話休題。「独り暮らし」に狎れると→隠し事が増える、独りよがりになる、世事に疎くなる、無精になる、繰り言を言う、無駄なモノを増やす、不健康になる……等々。そして「無職」では、すぐに暮らしが立ち行かなる。生活保護なんて甘い、甘い。「老いても不善を為さずに生き続ける」には、外に出て人と交わり、世間を見つめ直し、かつカネも稼ぐという選択肢しかなかろうと思うようになった。問題は、仕事の探し方、愉しみ方だな。

ジジババを憎む町v.s癒す町

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 師走土曜のディナータイムに渋谷駅を通り抜けた。派手なイルミネーションに喧しいサウンド。雑踏を行き交うのはほとんど若モン。東急の横暴な渋谷破壊工事が続いているこの町は醜く、不便を極める。かつての宮下公園、カレーの「インディラ」、安い2本立て映画の「全線座」、往時の「パルコ」、名物社長の城南電器……渋谷はランブリング(ふらつける)スポットがそこそこあったのに、今はどこにも留まれない。屋外立ちっ放し仕事にくたびれ、装備の入ったでかいリュックを担いで人混みを抜けるのだが、袖スレ合う若モンたちの憎むような視線を感じた。渋谷は個人的に東京で一番嫌いな街だ。……転じて今日は清澄白河で「きれいなお仕事」。引けてから清澄庭園や、深川めし(あさり丼)、下町博物館などをのぞいてぶらつく。こちらは、ジジババを癒すスポットだらけ。いや、若モンもいたけど、博物館で流してた「柏鵬戦」のビデオには興味なかっただろうなぁ……。これはこれで、ワシにはすぐ退屈する場所だ。

ほぼリアル「就老(就活老人)日記」(その11)

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 リカレント教育(recurrent education)について補足。「リカレント教育には、高等教育機関(大学・大学院)で教養を深める学び方も含まれれば、職業訓練も含まれる。教育を受ける時期・年齢は問わず、いちど妊娠・出産などの事情で離職した者や、定年退職した者なども該当し得る。」(時事用語辞典)……一般には学力不足で大学進学した学生(これが増加中!)に対して授業について行けるように高校教育をし直すことを指すが、本来は社会教育の一環として、離職者や定年退職者が仕事に就きやすくするために、各種の技能・資格取得の学習機会を設けることをいう。代表的なのが、ハローワーク職業訓練制度で格安の実費でPCソフトやビル管理などの勉強ができる。手続きが煩雑なのが難点だが公共サービスとして悪くない。問題は、高齢者が継続的・前向きに学ぶ意欲と忘れぬ復習習慣があるか否かだという(挫折者も多いってこと?)

ほぼリアル「就老(就活老人)日記(その10)

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 高齢者を雇用するどこの職場も、その育成に苦慮するらしい。動きが緩慢、もの忘れがひどい、勝手にアレンジしてしまう、反発する……等々。自分も警備の実習で「左向け左!」でヨタヨタしてしまった(「できらぁ!」という人はやってみろ!)。これがコンビニとなると、「タバコの銘柄は200種以上、おでんも20種以上、それに公金支払、宅配便、PayPay支払……とても覚えられません」と嘆いて3日で辞めた爺がいる。また、中高年に教えるなら高齢者が良かろうと起用する職場もある。先日、喫茶店で見かけたのは中年転職者(らしき人)に、先輩爺が教えている光景(sneak shot!)。どうやら、pptプリントを見せながらのセールストークの研修らしい。黙って聴き終えてからの爺の「アレがどうだ、コレはこうだ」講釈が長かった。それをメモせずボケっと聴いているのも難ありだが……。そして話はいつか爺の武勇伝一つ噺に。う~ん、日本の高齢者雇用は、研修やリカレント・プログラムからだなと思った。

爺本20 明日は『或る日の大石内蔵助』でも

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 「♪時は元禄十四年十二月十四日♪」と来ると、どうも落ち着かず毎年『忠臣蔵』ネタをブログやFBに書いてしまい、さらには近所のカラオケスナック『高樹』で『元禄名槍譜』を延々とうなって(1曲8分以上!)顰蹙を買うことを繰り返してきた。とくに好きなのが、勝手に我がご先祖と敬う旗本・土屋主税逵直(みちなお)の話。吉良邸隣家の土屋が、提灯を高々と掲げて浪士を応援した。(これは史実らしい)。が、今年の「義士祭」は自粛し、代わりに、芥川の短編『或る日の大石内蔵助』でも読み直そうと思う。事件後、細川家に預けられて切腹までの日を過ごす大石の心境を描いたもの。一部は細川家用人の日記を踏まえたらしいが、所詮「近世人」芥川の細すぎる神経を経た創作で、自分はあまり感心しない。井上ひさしの『不忠臣蔵』の方が面白い。……写真は、今年の長浜曳山まつり・子ども狂言で演じられた歌舞伎ネタ「土屋主税」の場面。今どき『忠臣蔵』なんて……ネェ。ま、子どもにはお遊戯なんだけど。

爺歌38 すごいことになってる「歌声喫茶」

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 店で歌集を買いコーヒー一杯(しめて100~200円)で、客の若者たち全員が延々と唄いまくる。これが1955に生まれた「歌声喫茶」。歌はさまざまで童謡、唱歌、歌謡曲もあるがなぜかロシア民謡(カチューシャ、ボルガの舟歌)が多かった。ステージのリーダーたちがルパシカを着てたのも変だった。……今にして思えば、共産党山村工作隊で失敗した路線を糊塗するために得意の「うたごえ運動」(♪若者よ、体を鍛えておけ~♪)を展開したのだろう。それが集団就職してきた地方出身勤労学生に響いた。……それから60年余。今、全国で「歌声喫茶」や「うたごえサークル」が続々復活しているという。客は当然、元青年のジジババ。感心したのはそのビジネスモデル。実にしたたかになっている。(参考)歌声喫茶「ともしび」(西武新宿駅前) チャージ税込864円 コーヒー486円 昼は1ドリンク付きで1600円(税込) 他に歌集は540円~(貸し出し100円)