h.Tsuchiya

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好きだけど難解な曲5選

1,ボヘミアンラプソディ(QUEEN
 rhapsody(狂詩曲)なんだから色んな曲想が混在するのはわかるけど、「♪ママ~人を殺しちゃった」からの「ガリレオガリレオ……フィガロ」だぜ。それにイタリア劇の狂言回し「スカラムーシュ」とか「魔王ベルゼブブ」って何だよ。

2.青い影(procol harum)
 バッハみたいなオルガンとゲイリー・ブルッカーのしゃがれた声に引きこまれるが、のっけのダンス名からして意味不明になる。だが、miller(粉挽屋)の話をしたら彼女が突然血の気を失った(pale)になったという流れも???のまま。これは14世紀の『カンタベリー・テール』に出てくる寝取られ男の話なのだ。つまり彼女が浮気したことを自分が知った、だから彼女が青ざめたという話。

3.ホテルカリフォルニア(Eagles
 ダブルネックの綺麗なイントロで「ようこそ、このホテルへ」と歓迎しているのだが、なぜかワインは置いてないし「アリバイ作ってね」とか「人々がケモノを刺そうとしてる」とか不思議な描写。最後も「いつでもチェックアウトできますが、ここからは出られません」と……謎だ!

4.スカボローフェア(simon and garfunkel
 映画『卒業』の挿入歌。魔除けのハーブを唱えたり、反戦風メッセージがあったり、理解不能な恋人への伝言などが錯綜。バラッドなど古い詩形式を踏まえているらしい。この曲の話は前に「ローズマリー」のことで書いたので、少し省くね。

5.はいからはくち(はっぴいえんど
 岡林信康高田渡らのバックバンドをやりながら「日本語ロック」を追求していたが、『風街ロマン』(別名「ゆでめん」)アルバムで松本隆が覚醒した。「風をあつめて」の「♪摩天楼の衣擦れが~♪」もイイんだが、奇妙さにおいては「はいからはくち」を推したい。個人的には大滝の曲がやっぱりすごいと思うんだけど……

「♪2ペンスを鳩に♪」

 警備の仕事も「ラクじゃねぇ」と思うのは、今日みたいに冷たい雨の下で長時間立ち続ける時だ。でも、自分から見てもっと哀れなヤツが足元にいた。雨に打たれながらウロウロキョトキョトと砂をつつくドバトだ(写真は「京都旅屋」さん)。
 ハトやムクドリは工事現場の掘り起こした土が好きですぐ集まるが、何度も掘っては埋め戻してるガラだけの土には狙うような虫はいない。近所のスーパーの前の歩道や、公園のベンチの傍にも群がる。ここは近所のジジババたちがパン屑を撒くのでそれを当て込んでいる。ハトに混じって腕白そうなヒヨドリもいて、こいつは手に持っているサンドイッチさえ狙うからアブナイアブナイ。
 鳥や野良猫に餌をやって近隣に迷惑がかかる事案が全国で絶えない。餌やりを直接禁止する法律がないので、自治体が迷惑防止や環境美化などに関連した条例を定め、罰金を徴収するケースも出てきたが、ジジババたちの「動物がかわいそう」との思い込みはかたくなだ。ホントにやめて欲しい!
 古いミュージカル映画メリー・ポピンズ』の中で子供たちに寝物語として「鳩の餌を売るお婆さん」の話をする。その時の唄が「♪2ペンスを鳩に♪」(Feed The Birds (Tuppence A Bag))だ。英国が10進法になる71年より前の映画だから1シリング=12ペンスかな。「2ペンス」硬貨があって5円くらいかも。でも歌詞では「餌袋にTuppenceを」と唄う。非常に小さい額・量の意で「to care twopence(小さいことを気にする)。 for twopence なら「朝飯前の、最小限の励まし」の意になる。唄はこの意味だろう。小さな思いやりを可哀そうなハトに向けて、と言っている。だが、野鳥の専門家は給餌は不要だというし、平均10年は生きる。ワシとしては「♪feed the old guardman」と歌いたいけどな(笑)

「横(よこ)」はワルだった⁉

 のどがイガイガするので『じゃばら飴』を買った。「邪払」と書くがスダチ風の柑橘類。鬼も逃げるという酸っぱさで「邪気を払う」と古来から言われてきた。産地・北山村の話が面白いんだが省くね。なお、UHA味覚糖のは酸っぱくないよ。
 文字や言葉にアンテナが向いてしまう職業病で「邪」に注目した。訓で「よこしま」と読むがヘンな日本語。その語源を調べると「横様」が音韻変化したらしい。で、「横」であるのは縦方向の中心線からズレるので「正しくない=悪」と思われてきた(中国語「ヘン」でも「粗暴」の意がある)。
 言われてみれば、横行、横着、横柄、横暴、横領、専横、横死、横紙破り、横車を押す……ネガティブな言葉にたくさん使われている。調べてビックリだわい!(横綱とか無問題のものもあるけどね)。ついでに調べたけど、反対の「縦(たて)」が正義というのはなく「放縦」とか悪い意味もある。つまり昔の人は、横と縦を対概念で考えたのではなく。なんとなく垂直(上下)方向が基準というか「順である」と想っていたのだろう。重力、雨水の流れ、紙の漉き目、文章のタテ書き、はた織……世界観の一部なのだ。
 自分が今、準備している『ことだま百貨店』という本では、こういう話を蘊蓄で終わらせたくない。昔の人がなぜタテ方向を「順」と考えたのか、どうして横のつく悪字を増殖させたのか、まで踏み込んで面白く考えるものにしたいのです(笑)。色んなクリエイターさんに助けてもらわねば……

友を選ばば……歳寒三友

 仕事休んでまで世田谷へ観梅に来たというのに、寒さが逆戻りし雨まで降る展開に。これが週末なら甘酒か抹茶を頂くなんて楽しみもあったのだが、平日だから全部閉店。前夜は「てるてる坊主」の念力頼みまでしたというのに、力及ばずだった(LINEスタンプの「てるてるさん」)。  
 昔の中華文人は梅を好み、松(あるいは水仙)と竹と梅を「歳寒三友」という。寒い冬に心温めてくれる3つの友(植物)を詩や絵の題材にし。縁起良いものとされた。日本でも「松竹梅」は酒の名にさえなっている(さらにめでたく鶴をあしらった絵は田能村竹田)。そう考えると、こんな荒天で梅を愛でるのは、その有難みが余計に分かるってことか?
 旧三高寮歌の一節に「~♪友を選ばば書を読みて 六分の侠気 四分の熱♪」がある(与謝野鉄幹『人を恋うる歌』)。侠気というのは「義のあるところ火をも踏む」という漢(おとこ)の生きざま。明治男たちの汗臭く大時代がかったアツさは令和の今はムリ。でも冬の氷雨のような、あるいは貧病苦の厳しい局面においても変わらぬ厚情を示してくれるのは、本当の友人ということには変わらないと思う。それは人生の財産で、自分もまた誰かの財産になれるということでもあるね……う~ん、最悪の梅見散歩が、えらくマジメな人生勉強になっちゃた(笑)。まずは梅林に、そして付き合ッてくれたイオさんに感謝したい!(焼き鳥屋で乾杯した)

こどもだってタメ息、つくよな?

 夕方下番時、立哨現場のゲートを閉めていたら、小学3~4年くらいの男の子が自転車で目の前を通り過ぎ…と思ったら止まって、少し夕空を見上げる感じで「フウ」とタメ息をついた。驚いた!どうみてもフツーの子がタメ息……だよ。一体、彼に何があったんだ?なぜ?なんで「フウ」?
 でも帰り路、よく考えたらこどもにだってタメ息つきたくなる理由はたくさんある。いちいちあげないけど。とにかくある!だから驚くこともなかった。自分にも経験はあったわい。
 こどもは幼い、でもそれなりに完結した一人のヒトなんだもんね。こどもにも宇宙はあり、壮大かつリアルな生がある。なめたらイカンのです。
 そこで思い出した曲がある。BEGINの『おつかれさん』。歌詞意訳=(1番)とうちゃんは町内の人に会うたびに「おつかれさん」というのにボクにはいってくれない。(2番)ボクが真似してばあちゃんにいったけど、びっくりして笑ってほほをつねられた。(3番)子犬のシンバと散歩してたら大きなシェパードに吠えられた。全力で逃げて、シンバに「おつかれさん」。そしてグッとくる(4番)(寝入ったボクに向けたとうちゃんの言葉)お前はな、まだまだ疲れを知っちゃあかんよ。それよりな、たくさん楽しい事があるやろ。ぐっすり眠ればまた明日、元気が湧いてくる。たっぷり食べればもう一度、勇気が湧いてくる(中略)いつか旅立つのか、お前の未来に今夜『おつかれさん。おつかれさん……』
 やっぱこれを作った比嘉栄昇は天才だな。
(©NHKみんなのうた」,絵くずおかひろし)ちなみに「シンバ」は『ライオンキング』の主人公ね。(🄫劇団四季
 今日の「タメ息男子」はきっと近所の子だからまた見かけるだろう。どんな成長?するか見ていきたいな(笑)

お裁縫の時間(手袋改造)

 使い込んだ防水手袋を使ってスマホが使える「変形ミトン」を作ることにした。現場で工事車両が入る連絡を受けるたびに手袋はずして応対していたが、どうしても動作が遅くなる。以前の携帯には手袋(グローブ)対応の機能があったが今のOPPOにはない。また指先部分だけ導電性シールを貼った手袋もあるが、精度は良くない。検索でなく電話を使うだけなら右手親指部分だけ何とかすれば良いのだ。そこで手作り!

①手袋をカット。キャップを作る
 4~5年前にセブンで買った手袋は、少しの雨なら浸透しなくて重宝してた。その右親指を半分くらいでカットした。すると三層構造で表層は合皮ビニール、真ん中は薄いポリエチレンシートが圧着され、皮膚側は起毛した化繊。防水の仕組みに納得。次にここから飛び出る親指をカバーする指キャップの型紙を円錐台形に作り、用意した紺地のフリース布を裁断。これを袋状に縫う。手袋もキャップもほぐれぬように切り口をしっかりマツッておく。

②キャップを手袋に縫い付ける
 キャップは手袋にグルリと縫い付けるわけにはいかない。必要な時に指だけ出せれば良いのだから、その分を開けて縫い付ければ完成!さて、テストじゃあ~ん

 もちろん指もすぐ出せてスマホも動くが、「待てよ?」と思ってキャップつけたままで操作して見ると、何と反応するではないか! どうもフリース地に導電性があるらしい。ちなみにこれは昔、MUJIで買ったシャツで今や布巾に切り刻んだもの。こんなことなら他の作り方があったなァ~(笑)この次は人差し指の先をカットしてフリースを縫い付け、グレードを上げて見よう!

 後で調べたら二本の指部分にキャップがある登山用のミトンがあるらしい。皆、考えつくことおんなじだ。「山旅指穴フリースグローブ」¥1980 こりゃ買った方が速いわ(笑)

 

「足弱さん、ま、ねまれっちゃ」

 住民と一緒に古びた団地があり、近くのスーパーへ毎日高齢者たちが買い物に行く。足腰の弱った人が多い。背を曲げ、杖や押し車に支えられてヨタヨタと歩く。互いに支えあう人もいる。苦労してまで出歩くのはどうしてだ?通販や食材配達では嫌なのか?(後ろ姿とはいえ、無断撮影して申し訳ないm(__)m)
 たまに自分が立哨する目の前で転ぶ。手を貸して起こすと「段差があって」とか「目が悪くて」と、まず言い訳。最後に「すみません、ありがとう」と小声でつぶやく。「ついこの間までは、こんなことなかった」と愚痴る人もいる。そうだろうなぁ。誰もがかつてはシャキリ&スタスタと歩いていた美女美男だったんだ…….。そして今彼らが、杖、手押し車、柔らか靴、湿布薬、サプリを買い、整骨院と薬屋を繁盛させている。
 足ヨワさんたちの心の奥にはやり場のない怒りと「焦り」がある。この焦りが老害、老醜、転倒、運転ミスや癇癪、万引等に繋がることもある。
 そんな彼らには、「まぁ、ねまれっちゃ」と声をかけたくなる。佐渡では「座って(ゆっくりして)」の意味になる。その名の居酒屋もある。でも佐渡だけの言葉ではなく、東京方言(標準語)以外、割と各地にある。富山県の観光情報季刊誌も「ねまるちゃ」だ(ただし九州だけ「ねまる」は腐敗するの意味。どう転化したのか不明)。ともかく落ち着いて気分をやすめる方がいい。
 実際、彼らはどこでも座りたがる。ベンチを占有する。だが、ベンチが足りなすぎる。日本中にもっと増やして店前や歩道に一杯並べる。雨天や炎天を考えればバス停みたいな片持たせの屋根が欲しい。これから「ライドシェア」がより本格化し進化すれば、ベンチごとに病院、スーパー、市役所など希望する行き先を決めて、そこで待てばよいだろう。課題は費用と地権かな?
 右下のベンチはイケア製で約1万3千円。屋外で使える「ネッマローシリーズ」の一つ。この名と「ねまる」は関係なさそうだが、偶然が面白い。