h.Tsuchiya

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底辺仕事の勘どころ

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 職業に貴賤はないというのは建前で、いつの時代、どこの土地にも底辺の職業・仕事というのはある。文化的にきれいごとのベールで包んでいるものの、現場とその処遇を見れば明らかにヒエラルキーはある。そして、その底辺仕事というのは、たいていが頭より体を使うものであり、複雑な作業ではなく単純な作業、待遇はその日暮らし分の最低限と決まっている。ただ、その底辺仕事に就く主体が、いつまでもそこに留まるか、ヒエラルキーの階段を上って行くか、さらなる奈落へと落ちていくかは別問題だ。

 ワシは、週末と今日、その底辺仕事=単純労働のバイトをしてきた。詳しく書くと支障が出るので、曖昧に書くしかないのだが、簡単に言うと、ある業務で使って余った大量の書類を、再利用するために分類し、勘定し、箱詰めし、所定の場所に置くという内容。時給は交通費込みで1000円、昼休みは1時間。
 
 単純作業は嫌いじゃないし、得意でもあると思っていたが、それは思い上がりだと痛感した。単純作業が効率よくこなせるためには3つの条件が必要だと分かった。まず、作業の目的だ。何のためにこの作業が必要なのかを理解しなくてはならない。次に、工程というか作業の流れ、繋がりを知っておく必要がある。先の作業、今の作業、次の作業が判っていないとスピードは出ない。そして最後に作業ごとに注意を集中すべき勘どころがどこかを知らねばならない。「集中して作業しろ」と言われても、人の集中力は、長くは続かないし、何度も働かない。時間にして数秒分、回数にして3回くらいしか集中できないものだ。

 その勘どころである。たとえば紙を数えて一定数ごとに束ねて所定の場所に置く作業では、数えた枚数を忘れず、同じ束ね方を繰り返し、所定の場所への置き方を忘れないことが必要になる。この作業はコンピュータならいともたやすいが、人間は体のリズムにも集中力にも記憶力にもムラが出るから、自分を制御するクールさが必要になる。それには個人差もあるのだ。

 この底辺仕事にも監督者がつくが、それがバカだと。少しでも効率の悪い人を「不器用だ」「使えない」などと評価する。作業をマスターするための3条件を忘れ、個人差を見ないし、かつての自分がそうであったことも忘れている。しかし、少し長い目で見たら、本当に伸びて行くものと現状に留まりそうなもの見極めがつくはずなのに……。今日一日、帰る頃には自分も人並みにできるようになって、ちよっとうれしかった。でも、もう二度としないバイトだと思う。バカが辞めない限りは。へへへ……。