h.Tsuchiya

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爺歌51 『矢切の渡し』の彼岸にある町(辛口)

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 あの世(彼岸)とこの世(此岸)は隔てられているが、あっちのご先祖を偲ぶのが春秋のお彼岸。今日、彼岸中日は20度を越し、まさに「寒さ」もここまで感。……今日、西から江戸川越えて、松戸に初めて行った。あの『矢切の渡し』(1976)なら葛飾柴又発~矢切行か。……なお、この曲は最初売れず、6年後、『夢芝居』で当てた梅沢富美男の舞台曲に採用されてからヒットした。が、オリジナルのちあきなおみ版よりカバーの細川たかし版が一番売れたのはファンとして残念。作曲の船村徹は「細川は一本調子。船はモーター付きだ」と酷評した。ホントに全然違うぜ!(この曲をカバーした歌手は30人近い)。……で、着いた松戸だが、あの「マツモトキヨシ」創業者であり、全国地方自治体が手本とした「すぐやる課」を発案した名市長・松本清が治めたのだからと憧憬があったのだが、現実は、「品下がる」町だった。まず、駅前で植え込みに立ちションするオヤジ発見、傍のポリがすぐにどこかに連れてった(ザマ~♪)。次に無断でバナナ売りをやろうとしたオヤジ発見。これもポリに追い払われた。さらに公衆電話の傍に置きっぱの大型キャリケース。これもポリ2人がこわごわ持っていった(すべてチクったのはワシ(ウソ))。……駅前の高架橋&広場の設計がひどい。ソフト面では禁煙を急ぎすぎて逆にあちこちポイ捨てだらけ。そのために掃除会社に委託するという無駄行政。町のあちこちに居酒屋、パチスロ、百均はあるのに、家電屋がないのもおかしい。……最悪が、松戸の「ゆるキャラ」。「松戸さん」以下、なんと15種類もあるのに全部ダメダメデザイン。……この町はセンスとか文化に無縁だ!

「なめくじ」を描いた芦雪に癒された

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 今日は仕事を休んで、友人のM君夫妻と上野・都美術館『江戸の奇想展』へ。M君夫妻とはよく美術展に行く。先月は六本木・森ビルの『新・北斎展』だったが。これは期待外れ。画号ごとの作風を分析して観られたが観るべきものが少なく会場も感心しなかった。でも、今日のは良かった。江戸時代に活躍した”異端系”の画家8人を集めたもの。若冲蕭白白隠国芳らはたくさん観てきたからさほどの感はなかったが、思わず、「目が点」になるほど見入り、感心してしまったのが長澤芦雪だった。……コレクターの米人プライスさんが出した「白象と水牛」も見事だったが、白黒を対比させた画の子犬の可愛さ、炎上する方広寺を朱と墨でスピーディに描いた画はドキュメンタリー的迫力……でも、最高の収穫は「なめくじ図」。こんなものを題材にするのもおかしいが、その動いた跡のヌラヌラを薄墨のひと筆で描くなんて、すごい発想とユーモアじゃないか! こんな人と友達になりたかったぜ。……平日なのに、ジジババ中心にたくさんの人。桜開花も近い上野ブラブラも癒された。「休み」ってのは、カラダの慰安よりも、こうして友と過ごしたり、心ワクワクの時間を持つことなんだなと確信した。さて次は、どこ行こかな?

ほぼリアル『就老(就活老人)日記』(その27)

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(今日もやっぱり干されてる老害たち)
 このところ、自分が行く3人現場では先輩警備員が連続して「干されて」しまった。……まず、2人が監督から昼に「もう帰れ!」と言われた。理由は、近くのバス停ベンチで座り込んでだべっているのを職人たちに見られたから。80近い先輩たちはとにかく疲れやすいらしく、すぐに腰を下ろせるところを見つけたがる。職人の親方が監督にチクったのも無理はない。「あいつらのせいで工事が中止になったこともあった」と親方。……つぎの現場では、片側交通をやっていた先輩が、歩行者がいるのに車を通したために、職人の親方が「あぶないなぁ!」と注意したところ、「大丈夫でぇ」と口答えした。これに激高した親方は、ワシに「あいつは酷い。できねぇならすぐに帰せ!」と言い、さらに監督にも報告。結果的には、「帰したら交代要員がいない。明日からはここには来させません」ということで何とか収めたが、その気まずいこと……ワシらより年下の監督は、「歳だから八方に気を配るのは無理かもしれない」と同情してくれたが、「口答え」はダメ絶対!の業界である。……この仕事だけでなく、あちこちで「老害化」した先輩たちが目立つようになってきた。歳相応に丸くなれず、「できらぁ」と思い込んでいる。……先輩たちよ、もう少し謙虚になってくれ。せめてワシらの前途を塞がんでくれ。頼むぜ!

爺歌50 ワム!の『ケアレス・ウィスパー』考

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 1980年代は、洋楽を初めてMTVやVクリップで楽しめた時代だった。それも毎週、最新の欧米ヒット曲が聴けるなんていうアンビリーバブルなTV番組が『ベストヒットUSA』だった。パーソナリティはラジオで、伊武 雅刀らと『スネークマンショー』をやっていた小林克也(この番組は、映画『アメリカン・グラフィティ』で出たウルフマンジャックのパクリだな)。……本格英語発音と、曲と歌手のウンチクも豊富だった。おかげで、カルチャー・クラブデビッド・ボウイ、マイケルジャクソン、フィル・コリンズ、スティング、ユーリズミックスなどを知った。その中には「ワム!」もいる(タレント名に!などをつけたハシリ)。……『ラストクリスマス』みたいな分かりやすくチャライ曲ばかりだと思っていたが、『ケアレス・ウィスパー』だけは少し違う風合い。直訳すれば「不注意なささやき」。歌詞を訳してもメタファーが多いから、ワシ流に説明すると、これは「ほんの出来心」でした浮気が、友達が本命彼女に「不注意なささやき」でチクってしまい、彼女に振られたアホな男の懺悔歌なのである。……バブル全盛期のこの頃、あちこちでポケベル持ちながらの浮気や不倫、援交、テレクラもやたらと流行った。……若い人には人生勉強になることもあるが、ジジババはもう止めなさい!薄汚いっス!

侮れない!小さな町でも


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 先日書いた「馬込文士村」に今日も来たのだが、また新たな発見!まずは「トマソン時計」(昔、巨人にいた役立たずの外人トマソンにちなみ、町で見かける無用とか使途不明なものをトマソン命名したのは赤瀬川源平や藤井照信ら)。空き地に向けて取り付けられた壁時計。誰が何のためにこんな場所に?しかもほぼ正確に動いている。次は小さなパン屋さん。ここの焼きたてブリッツェルが絶品の旨さで110円。最後はインドカレーの店。ドリンク、サラダ、二種カレーついて800円。……小さな町であっても、侮れない。ましてどんな人でも侮れないと自戒した。

ホッコリと春を感じながら

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 今日の現場は大田区南馬込。城南地区は東京デビューして住んだのが、あの『池上線♪』が走る長原だったし、中延には叔父一家もいるから愛着がある。だが、馬込には初めて来た。……休憩時間に見つけたのは、「出世稲荷」の境内が児童公園になった場所。そこには馬を象った子ども向け遊具、赤い社殿、周囲には赤松、黒松、桜、欅、銀杏老木があった。……そのベンチで陽射しを浴びながら、ホッコリと過ごした。青空、白い雲、そして黒松や社殿を見てたら写真を撮りたくなった。……ここは別名「馬込文士村」と言い、来月7日からは大きな桜まつりがあるという。「馬(駒)と桜」については、「咲いた桜になぜ駒つなぐ」(せっかく咲いている桜の木に馬を繋いだら、馬が動いて花が散るだろう)という意味のドドイツがある(桜を女、駒を男と見立てる説は色っぽい)。……そうだ、なぜ「文士村」かというと、ここには「物書き」を「文士」と呼んだ頃から、たくさんの物書きや絵描きが集まったからだ。石坂洋次郎北原白秋高見順三好達治山本周五郎和辻哲郎宇野千代子母沢寛室生犀星山本有三……ホントだとしたら凄すぎるナァ。

 



爺歌49 気分と真逆だが『春うらら』

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 郷里・佐渡島に向かう船が衝突事故。以前もあったが今度は被害が大きくシートベルト式も無力だった。東京では夕方14mの強風で去年より8日遅れの「春一番」になった。……となると、そんな現実のバタバタと真逆のこの歌『春うらら』(1976)を唄いたくなる。「♪みぞれまじりの 春の宵♪……あう、あう春うらら」。作った田山雅充は今年71歳!…… この歌でキュンとくるのは、同棲めいたことを始めたうぶい二人が「♪窓を誰かが叩いてる 君はこわごわのぞきこみ♪ ヤカン煮立ってカタリカタリ 笑い転げて腕の中♪」の部分。…田山と同世代の多くが思い当たるはず。かくいうワシも(モゴモゴ……)。田山は作曲家として南沙織に『人恋しくて』を提供するほか、今は、徳島県美馬市脇町の古民家に移住し、史跡「うだつの町並」起こしをやっているとか。……調べて驚いたが、この1976年前後は日本流行歌の豊作時代。「およげ!たいやきくん」「ビューティフル・サンデー」「北の宿から」「岸壁の母」「ハートのエースが出てこない」「春一番」「ペッパー警部」「わかって下さい」「あの日にかえりたい」「木綿のハンカチーフ」みんなこの年だ。