h.Tsuchiya

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トリビア的散歩

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 今日は30度越えかと思うくらい暑い日だった。でも、その日盛りの午後、強引に散歩に出かけた。家でくすぶっているのに飽きたせいもあるし、体がなまり過ぎて疲れたからだ。少し、汗でもかいて体と気持ちをいじめてやりたくなったのだ。

 向かったのは南側。左門町から信濃町を経て、まず取り壊し工事中の国立競技場に行ってみた。工事費用の見積もりでもめたはずだし、新規の、五輪向け新施設でも屋根が間に合うの合わないのでもめている。仕切りの矢板越しに見える広大な土地には、もう目ぼしい建物はない。それでもいくつもの重機が入り、トラックが頻繁に出入りしている。新競技場については設計コンペ段階からもめつづけだ。安藤忠雄は、ずいぶん評判を落とした。半世紀前の東京五輪は、日本の建築界が空前絶後の盛り上がりだったことを思うと、対照的な経緯をたどっている。

 この国立競技場一帯と新宿御苑は、総武線千駄ヶ谷を挟んで至近距離で接していることを知って、初の「へぇー」が出た。少し広域にみれば明治神宮から、代々木公園、NHK敷地にも繋がっているのだから、天皇というか徳川の都心領地は凄かったのだな。そして、それを一気に開拓整備していった近代日本のエネルギーにもあらためて感心。

 そこから絵画館方向に向かう。看板を見つけたので読んでみると、収蔵品は、大政奉還江戸城明渡談判図など、教科書に載っている明治史の有名な場面が壁画になってるらしい。建築的にも色々面白いことが書かれている。入館料500円也。今度来て観るか……と思いつつ南東側の噴水の反対に行くと、そこにも看板。足元のアスファルト舗装が、何チャラ方式で大正年代に日本で初めて施工されたものとある。面白いのは、使われたアスファルトが国産(秋田産)だということ。新潟から秋田にかけての海岸沿いは、昔から石油というか「臭う水」の出たところだったと納得。

 そこからテニスコートなどを迂回して南東側に向かうと、映画や雑誌のシーンでしばしば使われる銀杏並木。左右の歩道に2列づつ計4列あって青山通りまで続く。ここにも看板。東京はあちこちにいろんな説明看板がある。ふだんは見過ごすが、本当はもったいないくらい面白いことが書かれている。「トリビア」ネタだらけなのだ。そこにも、銀杏とはからはしまって、造園学のナンチャラ博士が、ギンナンから育てた苗木を使ってうんぬんと書かれている。意外だったのは、樹高が、絵画館方向に向かって低くしてあり、遠近効果を高めるように配されているということ。ちょっとわかりにくいが、造園学的にはさもありなんと納得。

 こんな風に、少し歩いては看板を見て「へぇー」なんぞとやりながらの散歩は2時間以上かかってしまった。でも、面白かった。次は防衛庁方面に行ってみようかと思う。帰ってからシャワー、そしてありあわせのものでツマミを作っての缶ビール「プシャーッ!」は、クセになりそうだぜぃ。