h.Tsuchiya

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調べたら愉し03 「桃太郎」の噺

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桃太郎

 コロナ騒ぎで「テレワーク」も流行してるが、日本人はこれが苦手という偏見がある。たぶん「キントーン」みたいな優れものGW(グループウェア)を知らないのだろう。これを活用している平均70歳の高齢者企業(温度センサーの開発・販売)を取材したから、自分では評価が高い。開発元サイボウズも面白そうな会社だ……その会社が「桃太郎」モチーフの広告を最近再開し、電車や駅で見かける。サル、キジ、イヌと個性の違う面々も「まとまると強い」というわけだ……で、改めて「桃太郎」を調べたが、あまりに情報が多くてちょっとウンザリ。江戸期の馬琴から明治の国定教科書、これをネタにしたたくさんの文豪や学者たち、現代でもゲーム「電鉄」ものやアニメ「鬼灯の冷徹」やauのCFなど、何度も多様に取り上げられてきた……「青空文庫」だけでも折口信夫の「桃の伝説」を含めて5本はあった。いやはや、とてつもなく寿命の長い人気物語だとわかる……鬼=善人説や桃太郎はグウタラ説、桃を食べて回春した老夫婦の実子説もある。馬琴説では鬼ヶ島は日本の北東(=鬼門)にあり、その裏鬼門(南西)の抑えとして「申、酉、戌」をそろえた、といかにも講釈的で笑える……霊果・桃の件以外には中華文明的影響が少ないのも不思議。そもそもの原典がわからんのだが、上手に商売に繋げたのが岡山・吉備路観光だろう。新幹線駅前の像に特産の桃、「吉備津彦」伝説、土産の「キビ団子」等々、道具だてをずらり揃えている……この童話、どうやら21世紀いっぱいは生き延びそう。