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「麦秋」と小津映画のお茶漬け

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小津のお茶漬け

 今週土曜日(30日)から旧暦七十二侯の「麦秋至」に入る。前年秋に蒔いた麦の収穫時期だから梅雨入り前のこの時期が「麦秋(ばくしゅう)」。初冬の「小春日和」みたいなもんで言葉に迷わされるけど、ステキな季語……小津の映画『麦秋』(1951)は、原節子の紀子三部作(他2つは『晩春』と『東京物語』)の中でも、一番好きかも。その中で凄く印象的なシーンは、原節子が台所で独りでお茶漬けを食べるシーン。他人がすすめる縁談を断って、妻を亡くした兄の親友のところへ嫁ぐことになるまでの、彼女の静かな決意を象徴している感じ……小津がお茶漬け好きなのか脚本の相棒・野田高梧が好きなのか知らないが、翌年にはその名も『お茶漬けの味』を撮っている。上流階級出身の妻(木暮)と庶民の夫(佐分利)の間がぎくしゃくしていたのだが、最後は妻が糠漬けのキュウリをオカズにしてお茶漬けを用意し、二人で食べる。それが夫婦の睦まじさを再構築するきっかけになる……この映画もおすすめ。う~ん、影響されやすい私めは、佃煮と一夜漬けの瓜かなんかでお茶漬けを食べたくなったのであります。