h.Tsuchiya

My NEWS

茂吉忌に人生の「残照」を想う

f:id:RIPEkun:20220224151302p:plain

 1年は365日、毎日が誰かの誕生日ないし命日になる。たまたまそれを知ってしばし感慨に浸ることもある(天皇誕生日の昨日23日は中島みゆきの誕生日でもあった。70歳!)。明日25日は歌人斎藤茂吉の命日で、亡くなったのはわが隣町・大京町の自宅(1953年70歳)。以下、少しWikiっぽいこと書くが……茂吉が山形から斎藤家の養子候補として上京したのは15歳。精神科医になり31歳の時に斎藤家の次女・輝子と結婚して婿養子になる。その家(青山脳病院)の様子は茂吉の次男・北杜夫(どくとるマンボウ)が「楡家の人々」で描いている。また妻・輝子は「ダンスホール事件」で渦中の人となるが、80歳で南極に行くなどしたまさに「猛女」……自分は茂吉の歌業にも輝子にもさして関心はないが、初老の52歳の時の”恋狂い”に興味が湧く。相手の歌人永井ふさ子(写真左下)は当時24歳。輝子との不仲もあって燃えたようだ……男が年老いてからの年齢差がある恋愛や婚姻は今昔とも多い。世に「老いらくの恋」を知らしめた川田順と人妻・鈴鹿俊子は当時68歳と35歳。芸能人だと上原謙(66歳)や加藤茶(68歳)なども話題になった。さらに古くはあの一休さん(76歳)と森女(36歳)の性生活もすごい……自分が家人といえる人と暮らしたのは20年前のこと。死にぞこない72歳独り身の今は、まったく異次元の世界に思える。ましてやこのご時世、他人との接触が激減し、季節の移ろいを感じることと、仮想の世界(メタバース?)巡りだけが人生の中身になってきた……シメとして、今日の雪国を想いつつ、斎藤茂吉の歌「うつくしき いろに染まりて冬の海の うへ片寄りに雲をさまりぬ」(暁紅)に合わせて、新潟・燕出身の日本画家・横山操の「夕照」を並べてみた。10号の小品だけど迫力がある。人生にもこんなスゴイ「残照」があるのかなあ、と考えてしまう。