h.Tsuchiya

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「石敢當」と「いけず石」

 練馬の現場の近くで「石敢當(いしがんとう。奄美ではせきかんとう)」を見つけた。小さな印刷工場の玄関付近に貼ってあった。どうやら出入りする車両に「ぶつけないでね」の注意喚起らしい。
 「石敢當」は中国・道教起源。中華文化圏、台湾にもたくさんある。本土でも古いものが各地にあるが、やはり沖縄・奄美が中心。沖縄では不気味な直進性の魔物「マジムン」(これ水木しげるの絵で観たい!)が襲ってくるのを「敢當(あえて当たるスゴイ神=向かうところ敵なし、の石)」で粉砕してしまうという魔除け。辻々に置かれたが、いつしか車除けの交通安全標識扱いになっている。この印刷屋さんもそうなんだろう。
 もしかして沖縄ゆかりの人か? いや、沖縄の本土返還前から交流がありエイサー祭りもやる中野区ならともかく、ここは練馬だ。シイサーの玄関飾り程度のお土産なんだろう。
 昔は魔除けだったのに……程度の街頭オブジェは京都にもある。その名も「いけず石」(京都弁で「意地悪な石)。道路に面した角っこの私有地に置かれている。自動車だけでなく牛車・馬車の頃から曲がる際の「内輪差」ミスや「バック」ミスで家をこすられるのを防いできた。こすってしまった側から言えば「いけずやなぁ、この石」となる。元々は、家の鬼門・丑寅(うしとら。北東)に置いて魔除けとしたものらしいが……
 魔除けの街頭オブジェは色々あって面白い。たとえば浅草寺にある「大わらじ」信仰は全国にある。佐渡の倉谷にもある。……またなんか見つけて来ようっと(笑)