h.Tsuchiya

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自戒「塩垂れ」てはイカン!

 街で同年配の男たちを見て思わず溜め息することがある。マスクの端からゴマ塩の無精ひげ、耳や襟にかかる白髪の蓬髪、今コタツから出てきたばかりのよれた服。おまけに猫背で小さな歩幅で傾いで歩く……概して「ショッタレ」ているのである。溜め息の理由は、「自分もそう観られてるかなぁ」と思うからだ。
 一つ思い当たったのは、制服ズボンの長すぎる裾を踏んづけて擦り切れていることに半年も気づかずにいたこと。先日やっとアイロンで裾上げしたが、エスカレーターなどでワシの足元を後ろから見た人は「ショッタレジジイ」と思っていたに違いない。恥~(泣)
 独りものジジイを「ショッタレ」から救う3種の神器は、バリカン、髭剃り、爪切りかも(今思いついた)。
 ところでこの「塩垂れ、ビショッタレ」は小汚い、貧乏くさいの意味。ネットで語源を見ると「新潟中越地方の方言」という記事が多いが、やっぱりこれも大ウソ!(前の「ずくなし」もそうだった)。新潟だけでなく香川、淡路、栃木さらに小説『しょったれ半蔵』の主人公服部半蔵三河だ。そしてみんな「おらが方言」と言い張っている。今さら方言分布を科学的に解明できるはずがない。これは古語だろう。僧侶や武士など漢籍が読めるものが使った言葉が地域ごとに変形しながら庶民に浸透したものもある(例:佐渡や美濃の「らちゃかん」は「埒の門が開かぬ」=どうしようもないの意味)。
 むしろ明治20年代以降に強制された東京・山の手言葉の「標準語」なるものがアヤシイのだ。