h.Tsuchiya

My NEWS

この子らの「30年後」を想う

 一昨日の現場は公立小学校。校舎の一部工事中ながら「入学式」があった。約80組の親と子供が列席し校門前で記念写真を撮っている姿が微笑ましかった。昨日までは幼児だから幼くてあどけなく、ランドセルや校帽も大きすぎる。が、両親や親族の安堵したような笑顔を観ると、「おめでとうございます」と声をかけずにいられなかった。充実した学校生活になって欲しいよ……
 周囲を巡回していたら通学路に妙なモノを発見。話題の昆虫食自販機だった。「セミ、タイ産、塩味、1600円」「サソリ、タイ産、毒なし、エビ・カニ味、2300円」「コオロギ、群馬、煮干し風味、850円」などとある。これが飢餓問題に役立つとも思えん。いっときの流行り物だ。だが、今日の子供らが自分の子どもを持つようになる30年後に日本の食糧事情はどうなっているか見当もつかない。
 「30年=ひと世代後」を予測する「未来本」は昔からあるし今も氾濫しているが、まるで読む気になれない(そういう出版物に多少関わってきたから余計にイヤだ)。そんなものよりも、人の倫理観とかものの考え方をちゃんとしてくれる情報環境が望まれているだろう。せめてこの夏封切り予定のジブリアニメ『君たちはどう生きるか』を親子で観て、できたら戦前に出た吉野の原作も読ませた方が、はるかに心の栄養になる気がする。この子らを見届けるまで生きるわけないけど……いやいや、ワシはつくづく古いタイプの人間だなぁ(笑)