h.Tsuchiya

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「紙の本」を買ってしまった!

 現場近くの小さな図書室で立ち読みしたのがきっかけでアマゾンで衝動買い。中古でもなく電子版でもない新品「紙の本」、それも一回の読み捨てでも惜しくないタイプの本を買うなんて…自分の粗忽さを後悔した。蔵書の始末を進めているというのに…。
 買ったのは『名文どろぼう』(2010年 文春新書)。著者の竹内政明氏は『読売新聞』の元コラムニスト。題の意味は古今の名文を引用(パクリ)した随筆だから。ワシも少しパクって本の中身を紹介しよう。
●「あのポルをくれ」
米国旅行に行った明治の画家丸山晩霞は、店でブドウを買おうとして「あのポルをくれ」と言ったが通ぜず、買えなくて怒って帰ってきた。「葡萄牙ポルトガル)」と書くから「葡萄=ポル」と考えたらしい(明治の歴史家・森銑三
●「ズロース1丁」
ロシア語で「こんにちは」は「ズドラーストブイチェ」。これは早く短く言うので「ズロース1丁」と聴こえる(ロシア文学者・米原万里・ネタ本=写真)
●昔からある「老害噺」
「又しても、同じ噂に、孫じまん、達者じまんに 若きしゃれ言」(江戸中期の俳人横井也有 写真右)
●母性とは
「朝に見て昼には呼びて夜は触れ 確かめをらねば子は消ゆるもの」(歌人河野裕子
●澄むと濁るで大違い
「世の中は澄むと濁るで大違い」と言って、以下を述べる。「刷毛に毛があり、禿げに毛が無し」「福に徳あり、河豚に毒あり」「人は茶をのみ、蛇(じゃ)は人をのむ」(タレント教授の走り・池田弥三郎
 てな調子の引用を含んだ随筆で2時間もかからず読了。読書はTikTokYouTubeのショートで時間潰しするよりはるかに良い。だが「紙の本」が溜まるのは良くない。……満足半分、反省半分だった。