h.Tsuchiya

My NEWS

役人はカタカナ語が好き?

 先月末からこの1週間、地下鉄ドア傍にポスターが掲出れた。「魅力ある職場づくり推進奨励金」とあり「最大130万円」が支給されるという。主催しているのは東京都の(公財)東京しごと財団。サブのコピーには「職場環境の改善。人財育成、賃金引上げなど 従業員のエンゲージメント向上に取り組む中小企業を応援します!」とある。出た、お役人の好きなカタカナ語。Engagement には「婚約、約束、雇用、交戦」などの意味があるが、ここは「ワーク・エンゲージメント」でオランダ人学者の唱えた「働きがい」概念のこと。「活力、熱意。没頭」が揃った状態を指す。だからポスター(役人)が言いたいのは「従業員の働きがい向上」ということに過ぎない。この考え方と制度は平成の頃からある厚労省の「魅力ある職場づくり」と何も変わらない。全国各県でやってきたことだ。
 小さな会社をやっているといつも運転資金のことで頭が痛い。銀行や公庫に融資を頼んでも手間のわりに有難みは少ないから「100万円あげます」と言う話には魅かれる。だが、これも簡単じゃない。働きがい以外にも家庭支援。賃金アップの3カテゴリーで「フレックスタイム制、週休3日、社外副業、多様な正社員制度。時間給30円以上賃上げ」等々15項目から2つ以上に取り組み、財団の専門家派遣を受け入れながら進めての話。意識高い系、でも資金力の弱い企業向きかもしれない。
 制度自体の説明は止めるが、言いたいのは役人(学者)が好んでカタカナ語を使うことへの苛立ちだ。その種の集会を覗くと、ワークショップ、マニフェスト、サスティナビリティ、ファシリティター、ワーケーション……日本語に消化する力がないのか、見かけだけ新しげにしてるのか? そのまま使うチンドン屋もアホだな!