h.Tsuchiya

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『百日紅』の花は過ぎたか……

 亡き杉浦日向子が描いた漫画『百日紅さるすべり)』は北斎の三女・お栄(筆名は応為)の物語。それを「クレヨンしんちゃん(映画版)」の監督・原恵一がアニメにしている。自分もここに記事を2度も書いた、(原作とは違うが、アニメの方はYouTubeベトナム字幕版なら観れるよ。消される前に急げ!)
 その葛飾応為を、漫画もアニメも魅力的なかわいい女性に描いている。現実は「すみだ北斎美術館」(両国)に展示された人形(40歳頃)のような姿かもしれない。でもその才能に惚れてしまう。
 11月1日から応為の肉筆画『吉原格子先図』が、神宮前の太田記念美術館で公開される。この絵を「レンブラントみたい」と評する向きがあるが……。26日まで会期はあるし、他の人の絵もみられるんだが行く気がしない。応為で見たいのは『春夜美人図』(東京国俐博物館)。灯篭の明かりで手紙(ぜったい恋文)をしたためる女。頭上には無数の星々(明るさも異なる)。光の扱い方はこちらの方がすごいと思う。でも、東博は今、人気の絵巻物展だから観れないだろうと思う。どうも自分は”間が悪い”ようだ。
 肝心の『百日紅』は百日も赤い花を咲かせてくれたというのに、ちゃんと見なかった。いつしかキンモクセイ(中国名『桂花』!)に主役を奪われた。それも「お、匂うな!」と思ったら、はや散り始めている(気温低めが続けば2度目の開花あるかも)。やっぱり”間が悪い”
 このズレ具合からいくと、もう一つ狙っている展覧会「山口晃の『サンサシオン』」(9月9日~11月19日、旧ブリヂストン美術館=現ARTIZON MUSEUM アーティゾン美術館)も、見逃してしまいそうな気がする。この人・才人過ぎ!気になる。