h.Tsuchiya

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共演、驚演、狂演……いやさ享演!

 20世紀初頭?にナポリ人のV.モンティが作曲したマンドリン曲に「チャルダッシュ」がある。スローとアップテンポのパートが交互に演奏される軽快な曲で世界中で人気がある。元はハンガリーの酒場曲でロマ(ジプシー)たちが呑んで踊る伝統的な音楽ジャンルのことだから、本場のチャルダッシュは多彩だ。バレエ『白鳥の湖』でジークフリード王子の前で各国のダンスが披露されるが「ハンガリー人の踊り」と紹介されるのもチャルダッシュだ。オペレッタチャルダッシュの女王』ではシルバの唄が聴けるが、これもモンティのものとは違う。
 モンティものしか知らない日本人が多いのか(2006年浅田真央の影響?)アイドル並みの人気バイオリニスト高松アイちゃんも好んでこの曲を弾き、他曲同様に簡潔な解説もつけてくれる。でも残念なのはWikiの半端な記事を引いてること。「中毒性の高さからウイーン宮廷が中止命令を出した」とか速弾きを「超絶技巧」と呼ぶことも。でも中止の件は誰も検証していないしモンティ版とは無縁の話。19世紀末オーストリア帝国メトロポリス•ウイーンの状況はどうも違う。ワルツ登場で男女相対して踊るのが大流行して風俗紊乱と言われたのは分かる。でもロマの酒場での騒ぎに口を出すかなぁ。技巧的な速弾きなら「剣の舞」もリストも「熊ん蜂の飛行」もある。この曲だけ特別でもない……Wiki回避して調べながら色んな「チャルダッシュ」を見つけたのは収穫だった。
 ①桐朋大学園祭では小梅太夫コスの飯塚君がフラフープ回しながら  ②.ビール瓶146本並べて演奏するのはアイルランドの3人組 ③.陸自の生真面目なマリンバ……思うにこの曲はハンガリールーマニアの居酒屋で地元民と一緒に踊りながら愉しむのが一番良さそうだな(写真右下はマランドNL楽団)。