h.Tsuchiya

My NEWS

長かった「冬休み」

 子供時代の「冬休み」は12月の25日あたりから1月の7日くらいまでだった記憶がある。宿題も大したことなかったから存分に遊んで過ごせた。だが、ちょっと普通の家とは違う年の瀬だった、
 長年母方家業の「切り透かし」(別名。下げ紙、ハカマ紙)作りを公務員だった父が継いだため(提灯屋業も)、こたつに入りながら夜鍋して切っていた。自分もいくつかその図案を作ったけど。ともかくその紙を近在の人たちが28日頃から買いに来る。その店番(販売担当)が自分と姉の役目で売上げが結構な額のお年玉になった。
 外に出て金(かね)下駄(スケート)や竹スキー、カマクラなどで遊ぶのは二年参りした後の元旦午後からだった。外から帰ると。竈の茶粥から出る湯気で台所中が真っ白だった……。
 さて、それからン十年も経った今年の正月だが、暮の29日から始まって昨日8日まで10日間も「冬休み」だった。夏の盆休みでもゴールデンウィークの日取りがうまくいく年ても、こんなに長い休みはなかった(入院時は別ね)。その間、どうしてたかというと「人間ぐでだま」状態で、PCとタブレットばっかり視てゴロゴロ・グダグダ……休めばそれだけ収入も減る商売なのに気にせず。行きたい映画や美術館、買いたいもの、食べたい飯……休み前には「あれもこれも」と心積もりしていたが、どうでも良くなった。
 今日から仕事は始まったが、このダラ~っとした「冬休み」に後悔はない。休み中に観たアニメ(『葬送のフリーレン』)にこんなセリフがあった。「人生ってのは、衰えてからの方が、案外長いもんさ」(アイゼン)……うん、この「ダラリとした長さ」に早く耐性をつける方が良いのかも(笑)