h.Tsuchiya

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友を選ばば……歳寒三友

 仕事休んでまで世田谷へ観梅に来たというのに、寒さが逆戻りし雨まで降る展開に。これが週末なら甘酒か抹茶を頂くなんて楽しみもあったのだが、平日だから全部閉店。前夜は「てるてる坊主」の念力頼みまでしたというのに、力及ばずだった(LINEスタンプの「てるてるさん」)。  
 昔の中華文人は梅を好み、松(あるいは水仙)と竹と梅を「歳寒三友」という。寒い冬に心温めてくれる3つの友(植物)を詩や絵の題材にし。縁起良いものとされた。日本でも「松竹梅」は酒の名にさえなっている(さらにめでたく鶴をあしらった絵は田能村竹田)。そう考えると、こんな荒天で梅を愛でるのは、その有難みが余計に分かるってことか?
 旧三高寮歌の一節に「~♪友を選ばば書を読みて 六分の侠気 四分の熱♪」がある(与謝野鉄幹『人を恋うる歌』)。侠気というのは「義のあるところ火をも踏む」という漢(おとこ)の生きざま。明治男たちの汗臭く大時代がかったアツさは令和の今はムリ。でも冬の氷雨のような、あるいは貧病苦の厳しい局面においても変わらぬ厚情を示してくれるのは、本当の友人ということには変わらないと思う。それは人生の財産で、自分もまた誰かの財産になれるということでもあるね……う~ん、最悪の梅見散歩が、えらくマジメな人生勉強になっちゃた(笑)。まずは梅林に、そして付き合ッてくれたイオさんに感謝したい!(焼き鳥屋で乾杯した)