h.Tsuchiya

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「お清め」の霊験あらたか…か?

 築60年近い都営アパート解体工事が持ち現場の一つになった。ゲートや囲いなどの周辺整備に時間をかけ、やっと先週から居室のバラシに着手した。
 その最初の日、人柄に味のある老監督が「気休めだけど、やっとくか!」と助手を連れて建物の周囲を巡りながら何やら撒いた。「四方祓」の「お清め」で、撒いたのは塩、米、酒だった。
 解体工事はとかくガサツなイメージがあり、世間の顰蹙も買いやすいが、所管が区役所で、戸数が300もあるでかさ、それを1年がかりでやるのだから計画的かつ慎重に進めねばならない。「お清め」で神頼みしたくなる監督の気持ちは分かる。お陰?で今のところ、まだトラブルはない。
 塩で厄払いするのは日本だけではない。英国民も縁起かつぎが好きで、食卓などで塩をこぼしたりしたら、悪霊がつくといって左の肩ごしに塩を振りかける。お〜🎵superstitious(S.ワンダー❢)
 なお料理屋が玄関に「盛り塩」するのは「お清め」ではない。貴人が立ち寄ってくれるよう、愛妾たちが貴人が乗る牛車の牛が舐めたがる塩を置いて誘引したのが始まり。つまり客寄せだ。でも中国発祥の故事も探ると怪しい。貴人というのが始皇帝司馬炎玄宗皇帝と諸説ありすぎなのだ(笑)
 「お清め」でもう一つ思い出した! TVの『銭形平次』なんかでやってた出動?前のカチカチとやる「切り火」。火は悪霊を払うからその右肩にカチカチとやって送り出す。この風習を「明治以降の作りごと」と書いいるサイトもあるがデタラメだ。江戸時代の文献や浮世絵にもある。火も時間が経つと霊力が落ちるので新鮮な火花が良いのである。