h.Tsuchiya

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60年後でも”真実”は不明

 1963(昭和38)年11月22日、現地時間12時30分にケネディがダラスでパレード中に暗殺された。そのニュースは、11月23日午前5時28分に日本でも報じられた。それも米国から人工衛星静止衛星ではない)で日本(国際電電)にTV電波を送る宇宙衛星実験開始直後だった。お祝いめいた雰囲気の画像が一転、沈痛な表情の米国人アナウンサーの声に被せて、日本人ナレーターが「この電波でこのような悲しいニュースをお送りしなければならないのは誠に残念」と語り、ケネディ暗殺事件の顛末を編集された映像で見せた……自分は佐渡島で中学2年だったけど、朝からかじりついていたNHKの特番にびっくりした。暗殺の中継は1960年の社会党党首浅沼稲次郎事件以来だった。ちなみに大河ドラマ第一号はこの春の『花の生涯』(井伊直弼もの)だった。
 落合信彦(落合陽一の実父)が暗殺事件の背景を探った『2039年の真実』を週刊文春に書き始めるのが1977年。落合は弟ロバート・ケネディの選挙ボランティアをしていたが活動中にロバ―トも暗殺されて衝撃を受けた。「2039年」は、ケネディ暗殺のウォーレン報告書などに収集された全資料が公開されると言われた年。だが1992年の暗殺記録収集法で先行公開の情報は増えている。
 オズワルド単独犯行説よりもCIAやマフィア、産軍複合体などの組織犯罪ではないかというのがその後の主流で、とくに映画『JFK』(1991年)は反対方向からの銃撃を映した「ザプルーダーフィルム」も使って説得力を出していた(虚構も多いが)。さらに監督オリバー・ストーンのドキュメント『JFK/新証言』は、先週11月17日から劇場公開されている。事件から60年経っても”真実”は不明。時代を物語る仮説の一つなので観たいなぁ……